化学世界大手米ダウは4月22日、同社の2025年サステナビリティ目標の一つである環境インパクトの金額換算測定プログラム「Valuing Nature」で、新たなブループリントを発表。ステークホルダーに向け6つのアクションステップを提示し、進捗状況共有を強化する。
【参考】【アメリカ】ダウ・ケミカル、自然資本観点を経営に統合。各事業投資でアセスメント実施(2018年6月16日)
Valuing Natureは、自然環境が人間社会に果たしている役割を定量的に金額換算する試み。ダウ・ケミカルは、この自然資本の考え方を経営の中に組み込み、事業投資、不動産投資、R&Dに関するプロジェクトの意思決定時には、必ず自然資本観点での評価を実施するというプロセスを定めた。評価手法は、国際環境NGOの米ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)と協働し開発している。2020年までには全プロジェクトで評価を実施する目標を掲げており、実現すれば毎年、何千ものプロジェクトで自然資本評価を実施することとなる。これにより、各プロジェクトが、同社自身と生態系の双方にプラスのインパクトを与えることをコミットする。ダウ・ケミカルは、化学企業として唯一、自然資本連合(NCC)が策定した自然資本プロトコル(NCP)策定にも参画した。
Valuing Natureでは、同社は金額換算した環境価値を2025年に10億米ドル実現することを目標として設定。すでに目標額の50%を超えており、その多くは、環境汚染を避けることができた観点によるもの。2025年までに10億米ドルは可能な模様。
【参考】【アメリカ】ダウ、自然環境価値の金額換算で目標値達成。IOCのカーボンオフセット協業も延長(2020年9月26日)
今回提示した6つのステップは、「ビジョンの設定」「意識の構築」「ツールの導入」「外部との協力」「進捗の追跡」「触発と成長」。6つのステップも、国際環境NGOの米ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)と協働した。ダウとTNCは2021年から協働している。
今回の発表では、Valuing Natureプログラムで、同社が実践してきたケーススタディ10件以上や過去事例を掲載。活用したツールや、共同パートナーとの体制等も公表した。
【参照ページ】Dow publishes its valuing nature blueprint; latest addition to the Company’s blueprints for a more sustainable future
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