フィリピンのエネルギー省と世界銀行は4月20日、フィリピンでの洋上風力発電ロードマップを発表した。フィリピンでの可能性を2つのシナリオで提示した。
世界銀行のJie Tang東アジア・太平洋地域エネルギー・プラクティス・マネージャーによると、フィリピンには技術的には178GWの洋上風力のポテンシャルがある。フィリピン政府が適切な長期ビジョン、インフラ整備、投資、政策を整備することで、どこまで経済ポテンシャルに転換できるかが決まる。
今回策定したロードマップは、高成長シナリオと低成長シナリオに分けてシミュレーションを行った。高成長シナリオは、競争、投資、コスト削減を大幅に促進するシナリオ。一方、低成長シナリオは、エネルギー省の現行の国家再生可能エネルギープログラムに準じたシナリオ。
低成長シナリオの分析では、導入ポテンシャルは2050年までに6GW。同国の電力供給の5%を占める水準。一方、高成長シナリオの分析では、40GWの導入ポテンシャルがあり、電力供給の45%を占めるにまで至る。さらに、高成長シナリオでは、2040年までに雇用創出効果も数千人分。2050年の発電コストは
、石炭火力発電と比較亭も300億米ドル程度低減でき、消費者の電気料金を引き下げることができるという。
同ロードマップは、シナリオ実現のためには、政府がステークホルダーと協力することが重要と強調。洋上風力開発区域の設定、送電や港湾等のエネルギーインフラ改善への投資の提言も盛り込んだ。
今回の作業は、世界銀行が2019年に開始した洋上風力発電促進プログラム「ESMAP-IFC洋上風力開発プログラム」に基づくもの。同ロードマップは、世界の洋上風力発電業界を代表する官民の幅広いステークホルダー150人以上が作成に参加した。
【参照ページ】JOINT MEDIA RELEASE: New Roadmap Shows Potential for 40GW of Offshore Wind by 2050 in the Philippines
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