食品・消費財大手や小売大手が加盟する国際的な業界団体コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)は4月13日、従来リサイクル困難だったプラスチック包装等のケミカルリサイクル技術開発を促進するビジョンを発表した。安全性と環境を重視した6つのリサイクル主要原則も示した。
今回のビジョンと原則を策定したのは、CGFのプラスチック廃棄物アクション連合。共同執筆企業は、ユニリーバ、ネスレ、ダノン、ペプシコ、モンデリーズ・インターナショナル、P&G、マース、ヘンケル、グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア、コルゲート・パーモリーブ、バリラ、フェレロ、マケイン・フーズ、レキットベンキーザー、テトラパック、アムコールの16社。
CGFのプラスチック廃棄物アクション連合は2021年、プラスチック包設計のための業界統一規範「ゴールデン・デザイン・ルール」を発表。同時に、加盟企業は、再利用できない包装のリサイクル率を高めるため、先進国および新興国市場への政策提言の一環として、最適な拡大生産者責任(EPR)プログラムのフレームワークを提示していた。背後には、エレン・マッカーサー財団もいる。
【参考】【国際】食品・消費財・小売大手42社、プラ削減の統一業界規範策定。日本からは花王のみ加盟(2021年8月1日)
今回の発表では、独立したライフサイクルアセスメント(LCA)調査を実施結果発表。リサイクルが困難なプラスチック廃棄物をケミカルリサイクルすることで、廃棄物焼却と比較しプラスチックの気候変動影響を43%低減できるとの実証結果も明らかにした。それを受け、熱分解型のケミカルリサイクルを安全に拡大するための共通ビジョンと原則を確立した形。LCAは米スフェラが担当し、国連環境計画(UNEP)、ノースウェスタン大学、Eunomiaがレビューした。
確立した6原則は、
- 投入原料の調達先:マテリアルリサイクルが経済的に可能な材料は使わない
- 原料トレーサビリティ:マスバランス型で廃棄物発生源までのトラッキングを実施
- プロセスの歩留まり:プラスチックからプラスチックへの再生を最大化。アスファルトやワックス等への優先順位を下げ、燃料利用も最小化
- 環境影響:リサイクルのライフサイクルインパクトが、バージンプラスチックと同等以下を証明
- 健康・安全性:ケミカルリサイクルプロセスからの排出物や汚染は、人体影響の観点で適切にマネジメント
- 訴求:ケミカルリサイクルの価値を消費者に適切に訴求できるよう再生原料購入企業に信頼性と透明性を確保して情報伝達
【参照ページ】Consumer Goods Companies Announce Position on Chemical Recycling Technologies and Publish Life Cycle Assessment
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