半導体世界大手米インテルは4月13日、スコープ1とスコープ2で2040年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)、スコープ3でも2030年30%削減を目標として発表した。
スコープ1とスコープ2では、2030年の中間目標も発表。まず、全世界での事業所の電力を100%再生可能エネルギーに転換。省エネにも約3億米ドル(約370億円)を投資し、40億kWhのエネルギーを削減する。米国、欧州、アジアでの工場投資ではグリーンビルディングLEEDの基準を満たしに行く。
また、素材でも、地球温暖化係数(GWP)の低い化学物質の特定や、新たな除去装置を開発するため、業界横断的な研究開発イニシアチブを立ち上げる。
スコープ3では、サプライヤーや顧客との連携を重視。サプライヤーに対しては、省エネや再生可能エネルギー調達への注力、化学物質や資源の効率化、半導体製造装置のカーボンニュートラル化等で業界横断コンソーシアム等を進める。削減目標の30%は、基準年との比較ではなく、手なりシナリオとの比較。
下流サプライチェーンでは、製品使用時の排出量を削減するため、製品の省エネを実現。次世代CPU-GPU(コードネーム「Falcon Shores」)では、1W当たりの性能を5倍向上させるという新しい目標を掲げる。また、2030年までにクライアントおよびサーバー用マイクロプロセッサの製品エネルギー効率を10倍にする。
具体的には、内部コンポーネントのレイアウト、選択、モジュール化により、メインボードのサイズを縮小。システム・エネルギー効率とディスプレイ効率も継続的に向上させる。プリント基板のバイオ素材化や、廃棄時の解体容易化を進め電子廃棄物からの排出量も削減する。また、クライアントフォームファクターで、リファレンスプラットフォームデザインに関連する排出量を、2030年までに30%以上削減するという目標も新設した。
インテルは事業機会面も強調。同社が開発したAI機能を活用することで、KDDIが電力消費量を削減できた事例も挙げた。スマートグリッドでは、世界の電力大手とEdge for Smart Secondary Substations Allianceを結成し、フランスのEnedisは、ネットワーク全体のリアルタイム制御ソリューションを80万ヶ所以上の二次変電所に導入するために同アライアンスに加盟したという。Subme等の企業とも連携し、データセンター向けに液浸冷却の試験導入も開始した。
同社は2020年5月、2030年までの戦略として「Responsible, Inclusive, and Sustainable world, Enabled(RISE)」戦略を発表。今回のRISE戦略の一環と説明した。
【参考】【アメリカ】インテル、2030年までのRISE戦略発表。自社だけで解決できない大規模課題解決を事業戦略の柱に(2020年5月19日)
【参照ページ】Intel Commits to Net-Zero Greenhouse Gas Emissions in its Global Operations by 2040
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