健康ビルディングWELL認証管理団体米IWBIは4月11日、建物の室内環境品質(IEQ)に特化した新たな評価制度「WELLパフォーマンス評価(WELL Performance Rating)」をリリースした。健康・ウェルビーイングの観点からIEQを評価する。
現在のWELL認証シリーズは、WELL認証(WELL建物基準)、WELL健康安全性評価(Health-Safety Rating)、WELLコミュニティ基準等で構成。各々は物件等の種別毎にさらに細分化されている。特に、新型コロナウイルス・パンデミックによる健康意識の高まりで、認証取得物件が大きく増えた。ESG戦略を強化するための手法としても注目を集めている。WELL認証登録物件の面積は2021年12月に30億平方フィート(約2.8km2)を突破。過去1年間で3倍にも増加している。
(出所)IWBI
IWBIは2020年9月、WELL認証の評価基準となるWELL建物基準の第2版「WELL v2」を正式にリリース。空気、水、栄養、光、フィットネス、快適性、心、音、素材、コミュニティの10項目で構成されている。その中でも、IEQに特化したパフォーマンス評価の要望が多く、今回独立した評価制度として「WELLパフォーマンス評価」が創設された形。創設過程では、新たに、IWBIパフォーマンス・アドバイザリー、WELLパフォーマンステスト機関(PTOs)、WELLエンタープライズプロバイダー(EPs)からも意見聴取を実施し、測定手法等も含めたアップデートが図られた。
【参考】【国際】WELL認証のIWBI、WELL v2を正式リリース。評価観点が10分野に拡大(2020年9月23日)
結果、WELLパフォーマンス評価では、室内空気の質・温度、水質マネジメント、光の調節、音、自然環境モニタリング、入居者体験の6つの観点で、合計33評価指標が抽出された。同制度は合格点に達したら認定を取得できる制度で、「ゴールド」「シルバー」等の等級や点数がつかないことで、既存のWELL認証と大きく異なる。合格点は33評価指標のうち21評価指標の達成。また、認定は年次更新が必要。すなわち、一定の基準を超えていることを年次で証明取得できるというもの。
今回の制度を要望したのは、サイクロン・エナジー・グループ、デロス、エッジ・テクノロジー、エンバイロメンタル・チャータースクール(ECS)、EY、イーモス、グリーンジャンプ・サステナビリティ、ハネウェル、国際商業センター(ICC)、ラグーナ、ヌクリアスオフィスパーク、強力LEDスマートライト、ビュー社、WELLリビングラボ北京。同14機関はすでに、WELLパフォーマンス評価を事業として展開することを確約している。すでに中国での関心も高い。
WELLパフォーマンス評価は、あらゆる不動産で取得可能。また、評価の取得は、WELL認証やWELLポートフォリオでの高得点につながる。また、別の認定制度であるWELL安全・安全評価は、安全面や感染症対策等に特化しており、WELLパフォーマンス評価と対をなす。
【参照ページ】Launch of WELL Performance Rating Signals Future of Smart, Healthy Buildings
【参照ページ】WELL Performance Rating
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