穀物世界大手米ADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)は4月12日、イリノイ州ディケーター工場での代替プロテインの生産拡張で3億米ドル(約360億円)を投資すると発表した。加えて、ディケーター工場に最新鋭のプロテイン・イノベーション・センターも開設する。
ADMは今回、食料安全保障とサステナビリティというグローバル・トレンドの中で、代替プロテインは大きく成長すると背景を説明。ADMは同分野での世界のリーダーであり続けると宣言した。
今回の発表の生産拡張は、2025年の第1四半期に完成予定。濃縮大豆たんぱく質の生産能力の増強と押出能力がほぼ倍増する。プロテイン・イノベーション・センターは、既存のイノベーション施設をさらに拡張。すでに柱となっている食品アプリケーションセンター、及び動物栄養テクノロジーセンターとの3センター体制となる。顧客需要に合うカスタムソリューションを担当する。
同社は、代替プロテイン市場は、今後年10%で成長すると予測。代替肉と代替乳製品だけでも年14%成長し、2030年には1,250億米ドル(約15.7兆円)に達すると見立てている。
同社は4月7日には、ドイツのマインツ工場で、非遺伝子組換え大豆の加工能力を増強するため、数百万米ドルの投資も発表。2023年第3四半期に完成予定。同社は2021年7月には、セルビアに本社のある欧州非遺伝子組換え大豆原料大手ソジャプロテインの買収でも合意。ソジャプロテインは、65カ国に販売網を持ち、非遺伝子組み換え植物性タンパク質原料を幅広く供給している。今回の投資とあわせ、代替プロテインの生産能力が30%以上増える。
同社は2月、同社初のサステナビリティボンドを7.5億米ドル(約940億円)発行。年限は10年。金利は2.9%だった。資金使途としては、持続可能な養殖・畜産、持続可能な農業、グリーンビルディング、省エネ、再生可能エネルギー、クリーン輸送、水・廃棄物管理、汚染防止・管理に関するグリーンプロジェクト、社会経済の発展・強化、食料安全保障・持続可能な食料システムに関する社会プロジェクトとしている。セカンドオピニオンは、S&Pグローバル・レーティング。
【参照ページ】ADM to Meet Fast-Growing Demand For Alternative Proteins with Significant Capacity Expansion, New Innovation Center
【参照ページ】ADM Announces Growth Investment in Non-GMO Soy Processing in Mainz, Germany
【参照ページ】ADM Prices First-Ever Sustainable Bond Offering, Further Bolstering Work to Drive Positive Global Impacts
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら