化学世界大手独BASFは3月8日、植物由来のバイオ原料型のメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)「Lupranat ZERO」を発表した。カーボンオフセットなしで、Cradle-to-Gateでカーボンニュートラルを達成した。2022年代2四半期に販売を開始する。
Lupranat ZEROは、同社初の芳香族イソシアネートでのカーボンニュートラル型素材。原料を化石燃料由来からバイオ原料由来に転換するとともに、製造工程でのエネルギーも全てグリーンエネルギー証書を活用することで、マスバランス・プロセス型でのカーボンニュートラルを実現した。顧客に対し、二酸化炭素排出量ゼロの素材として出荷できる。
Lupranat ZEROは、第1弾として、建材のMDIポリイソシアヌレートパネルや硬質ポリウレタンフォームの用途素材「Lupranat M 70 R」で使用されることがすでに決まっている。他の製品にも続々と導入される予定。
BASFは、その他、世界各地で生産能力の強化にも動いている。3月8日には、マレーシアのジョホール州シルグダンにある工場で、「ウルトラミッド・ポリアミド(PA)」と「ウルトラデュアー・ポリブチレンテレフタレート(PBT)の生産能力を、年間5,000t規模拡張することを発表。2023年第2四半期から稼働開始予定。2020年から2030年に年5%成長が予想されている自動車、家電、電気・電子部品等向けの用途を狙う。
3月24日には、インドのグジャラート州パノリにある拠点で、「ウルトラミッド・ポリアミド(PA)」の生産能力を拡張することを発表。2022年第4四半期から稼働開始予定。
3月29日には、イタリアのポンテッキオ・マルコーニとドイツのランパータイムにある拠点で、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)の生産能力拡張を発表。HALSは、光によるプラスチックの劣化を防ぎ、ひび割れ等を防止。製品寿命を延ばせる。
同社は、生産能力を拡大しつつ、2030年までに二酸化炭素排出量を総量で2018年比で25%削減する中期目標を掲げている。
【参照ページ】BASF expands portfolio of climate friendly products introducing the first isocyanate not carrying a CO2 backpack
【参照ページ】BASF to expand its capacity of Ultramid® PA and Ultradur® PBT in Pasir Gudang, Malaysia
【参照ページ】BASF to expand its production capacity of Ultramid® polyamide in Panoli, Gujarat
【参照ページ】BASF to increase capacity for plastic additives in Europe
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