国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)と、生物多様性のためのファイナンス財団(F4B財団)は4月6日、金融機関の生物多様性目標設定で、協働を開始すると発表した。双方の加盟金融機関が検討を始める。
生物多様性のためのファイナンス財団(F4B財団)は、事業運営と投資運用の中で生物多様性へのインパクトのプラスへの転換にコミットする金融機関の宣言「生物多様性のためのファイナンス協定(Finance for Biodiversity Pledge;F4B)」の運営母体として2021年3月に発足。現在89社が同協定に署名。日本からは、りそなアセットマネジメントのみが署名している。
【参考】【国際】生物多様性条約締約国会議ハイレベル会合、昆明宣言を採択。金融機関のコミットも確認(2021年10月14日)
【参考】【国際】国連生物多様性条約、ポスト2020年枠組みの議論大詰め。企業の行動目標も設定へ(2022年4月3日)
両者の協働分野は、まず、金融機関のための生物多様性ターゲットと測定の基準策定で協力。また、UNEP FIの目標設定に関する既存のガイダンス資料、生物多様性のためのファイナンス財団の測定アプローチに関するガイダンス、署名機関からの情報の双方にに基づき、生物多様性に関する科学的根拠に基づく目標を支える強固な測定基準と測定技術の適用方法に関するガイダンスを作成する。また、双方の加盟機関の交流も促進する。国連生物多様性条約と条約加盟国の金融分野の政策作業も支援する。
生物多様性のためのファイナンス財団は3月1日、気候変動と自然資本の全体の観点からのトランジション・フレームワークを発行。自然関連財務情報開示に関するタスクフォース(TNFD)のベータ版も視野に入れつつ、金融機関向けの分析・行動枠組みを示した。同フレームワークを活用することで、金融機関が気候および自然に関する一貫したシナリオと移行計画を策定することを可能にし、最終的には財務と環境のパフォーマンスの両方を向上させることになると強調した。
また同財団は4月1日、「自然市場タスクフォース(Taskforce on Nature Markets)」も創設。TNFDを考慮した上で、気候変動の目標達成に向け創設されつつあるカーボンクレジット等の在るべき姿を検討する。それに先駆け、自然市場に関する動向を整理したレポートも発行した。
【参考】【国際】TNFD、フレームワークのベータ版初版発行。ダブルマテリアリティを明記(2022年3月17日)
【参照ページ】UNEP FI AND FINANCE FOR BIODIVERSITY FOUNDATION BEGIN COLLABORATION ON BIODIVERSITY PORTFOLIO TARGETS
【参照ページ】F4B LAUNCHES GROUND-BREAKING TRANSITION FRAMEWORK FOR FINANCIAL INSTITUTIONS
【参照ページ】LAUNCH OF GLOBAL TASKFORCE TO ALIGN NEW ‘NATURE MARKETS’ WITH SUSTAINABILITY GOALS
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