ホンジュラスのエネルギー天然資源環境鉱山省は2月28日、同国を「露天掘り資源採掘ゼロ」を宣言し、既発行のライセンスや許認可の取消を発表した。中米の新興国でも、露天掘り(MTR)ゼロの波が到来している。
ホンジュラスでは、シオマラ・カストロ大統領が1月に就任。2021年9月に発表した選挙公約の中で、2017年までに前政権が付与した露天掘り採掘のコンセッション取消を掲げていた。鉱山会社の事業が、人権としての水へのアクセスを悪化させ、社会対立を引き起こしていると批判していた。退任したエルナンデス前大統領は、2月15日に同国国家警察が、米国への麻薬密輸容疑で逮捕。米司法当局が身柄引き渡しを要求しており、同国最高裁判所での裁判にかけられる。
今回の発表では、まず、コンセッションの取消。さらに、ホンジュラス全土での露天掘り採掘を禁止。金属・非金属鉱物の探査・開発でも採掘モラトリアム(一時停止)を発出し、コンセッションの見直し、停止、取消を行う。さらに、生態学的価値の高い自然地域に対しては直ちに介入し、環境保全と国民の共通利益を確保するとした。
同国の銀、亜鉛、鉛の輸出による収入は2021年に約1億3,000万米ドル(約150億円)。また、同国での露天掘りは、コパン県サン・アンドレスで操業しているオーラ・ミネラルズ傘下の企業1社が金採掘をしているのみで、政府は経済影響は小さいとみている。だが、ホンジュラスは、金資源採掘のポテンシャルが大きいとみなされており、今回の発表は、将来には大きな影響を与えると言える。
中米ではすでに、コスタリカが2010年に露天掘り採掘を禁止。エルサルバドルは、2018年に世界で初めて金採掘を禁止している。
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