外務省は4月4日、17ヶ国でビジネス関連の人権基準の改善のため、国連開発計画(UNDP)に7.8億円資金を拠出したと発表した。国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)の実施を促進する。実施期間は1年間。
今回のプロジェクトの狙いは2つ。まず、日本企業とサプライヤーの人権デューデリジェンス(HRDD)をUNDPが支援する。日本国内で研修等を行う予定。2つ目は、17ヶ国の政府と連携し、現地での労働慣行の改善を進める。
17カ国の詳細は、ガーナ、インドネシア、カザフスタン、ケニア、キルギス 、ラオス、メキシコ、モンゴル、モザンビーク、ネパール、パキスタン、ペルー、タイ、チュニジア、トルコ、ウクライナ、ベトナム。過酷のUNDP事務所がプロジェクトの実施主体となる。
プロジェクトの実施では、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国際労働機関(ILO)、経済協力開発機構(OECD)等とも連携する。UNDPは、「持続可能な平和と開発のための法の支配・人権・司法・セキュリティ強化グローバル・プログラム」を今回のプロジェクトに活用する。
UNDPは、すでにEUやスウェーデン政府からの支援を受け、アジア太平洋地域を中心に国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)の実施を支援。2020年からは、地域プログラムの規模が拡大し、現時点で5地域26カ国のUNDP国事務所が、EUや日本、スウェーデン等の支援を受けながら、政府、企業、市民社会と協働している。
海外での人権デューデリジェンスに関しては、グローバル企業では、企業自身が先行し、国連機関とタイアップする事例も増えていた。日本では、国連機関との連携を躊躇するためか、動きが遅く、日本政府がお膳立てを整える形となった。日本政府が主体になれば、サプライチェーン・マネジメントのナレッジが企業自身に蓄積されづらくなってしまう。企業が主体的に関われるかどうかが鍵となる。
【参照ページ】UNDP promotes responsible business by strengthening human rights standards across 17 countries, with support from Japan
【参照ページ】グローバルプロジェクト: 日本企業進出先国等における責任ある企業行動の促進
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