世界経済フォーラム(WEF)は2月10日、ものづくり企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)インデックスで新たな報告書を発表した。半導体、エレクトロニクス、医薬品の3セクターがDXをリード。一方、アパレル、食品、電機は大きく遅れており、自動車もやや遅れていることが明らかとなった。
今回の調査は、WEFのグローバル・スマート・インダストリー・レディネス・インデックス(SIRI)イニシアチブが行ったもので、2019年に続き今回が第2弾。SIRIイニシアチブには、シーメンス、横河電機、アジア開発銀行(ADB)、シンガポール経済開発庁、フィリピン貿易産業省、マッキンゼー、テュフズードが参画している。
同イニシアチブは、シンガポールにInternational Centre for Industrial Transformation(INCIT)を創設し、SIRIイニシアチブが開発したSIRIアセスメント(OSA)手法を開発。テュフズードが受託し、企業にアセスメントサービスとして提供。今回の調査でも30ヶ国から約600社がアセスメントを受けた。
SIRIアセスメントは、技術、プロセス、組織基盤の3つの観点から企業のDXの状況を評価。今回の報告書では、個社ではなく、業界単位での進捗具合を発表した。結果、半導体、エレクトロニクス、医薬品の3セクターが高得点が多かった。また、ロジスティクスもスコアが上がってきている。
(出所)WEF
同調査では、政府による補助金や、ソリューションプロバイダーによる業界主導のフォーラム等による一律の普及策の効果も検証。効果は限定的で、画一的な支援策はあまり意味がないこともわかった。
トップ企業では、設備、機械、コンピュータベースのシステムの統合が進み相互運用が可能になっているのに対し、平均的な企業は、既存のプロセスのデジタル化にとどまっていることも指摘した。サプライチェーンの途絶リスクも高まり、生産性と品質だけでなく、柔軟性とスピードをKPIとする企業も増えてきている模様。
グローバル企業と中小企業の比較では、グローバル企業のほうが長期的な視点からデジタル化を進める傾向があり、今後中小企業との格差は拡大する可能性が高いことにも言及した。
今後の重要分野では、デジタル化と従業員のリスキルを挙げた。デジタル時代にリモートワークが普及することに伴い、従業員の組織やワークスペースのあり方も再検討する必要があるという。
【参照ページ】Semiconductors, Electronics and Pharmaceuticals Lead Digital Transformation in Manufacturing
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