米アマゾンで4月2日、同社初の労働組合が結成された。ニューヨークのJFK8フルフィルメントセンターで働く労働者が労働組合組成選挙を実施し、賛成2,654、反対2,131、要審査67の賛成多数で決議した。同事業所には約5,000人が勤務している。
今回の労働組合組成は、「アマゾン労働組合(ALU)」が約2年前から進めてきた活動の一環。ALUは、JFK8で勤務していた元アマゾン社員のクリスチャン・スモールズの個人的な活動で、全国的な組織ではない。同氏は、新型コロナウイルス・パンデミック下での勤務ルールに抗議し、2021年4月に組織を組成。しかしその後、アマゾンから解雇された。
同氏は、2021年10月にニューヨーク州にあるJFK8とLDJ5の事業所2ヶ所で労働組合選挙をやるよう全米労働関係委員会(NLRB)に申請したが、署名数不十分で却下。その後12月に、新型コロナウイルス・パンデミック下で、労働争議が多数発生したJFK8に絞り、再申請していた。
ALUは、10月の申請で署名数が不十分になった背景について、アマゾン側の妨害があったと主張している。アマゾン側が策謀を用いてNLRB側に手続きを行い、必要署名数が不当に増やされたと不満も延べている。
ALUは今回、LDJ5でも労働組合組成選挙の申請が受諾され、今後選挙に入る。また別途、アラバマ州ベッセマーにあるBHM1フルフィルメントセンターでは、全米小売・卸売・百貨店労働組合(RWDSU)の支援を受けた組合活動で、組合組成選挙が2021年実施されている。その際は、NLRBがアマゾンが選挙を妨害したと判定し、3月31日に再選挙が行われ、賛成875、反対933、要審査416で、反対多数だったが、要審査が多いため、今後1ヶ月間異議申立期間となる。
アマゾンは、今回の労働組合組成を受け、声明を発表。「私たちは、会社と直接関係を持つことが従業員にとってベストだと考えており、スタテンアイランドの選挙結果には失望している。今回の選挙で、私たちや他の団体(全米小売業協会や米国商工会議所を含む)が目撃したNLRBによる不適切で不当な影響力に基づき、異議を申し立てることも含めて、私たちの選択肢を評価しているところ」と伝えた。
【参照ページ】We won our first election! We made history! Now on to the next one!
【参照ページ】Statement from Amazon on Staten Island union vote
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