経済産業省は3月28日、バッテリー技術戦略に関し、全固体電池に集中投資してきた既存の政策を失敗と認めた。「日本企業は疲弊し、市場から撤退する可能性」とまで言及し、電気自動車(EV)用だけでなく、定置用蓄電池までも海外に頼らざるを得ない状況になる流れになっていると表明した。
今回の発表は、同日に開催された「蓄電池産業戦略検討官民協議会」の第3回会合で示したもの。バッテリーでは、中国企業や韓国企業が液系リチウムイオン蓄電池(液系LiB)で日本に追いつき、コスト競争力では日本を大きく凌駕。さらに欧米でも投資競争が激化していると指摘した。
その中で、日本企業は、集中投資してきた全固体電池でも、依然として技術課題が残り、液系LiB市場が主流として定着しつつあり、日本企業は全面撤退のおそれがあると危機感を示した。経済産業省が自らの戦略の失敗を認めた形。
(出所)経済産業省
今後の方向性としては、液系LiBの生産基盤を強化するための大規模投資が必要とした。また「オールジャパン」ではなく、グローバルアライアンスを戦略的に構築する必要があるとした。同時に全固体電池についても投資を継続するという。
(出所)経済産業省
日本では、再生可能エネルギーとEVの市場化が大幅に遅れたことで、バッテリー市場が未成熟のまま。未来の技術と自信をもっていた全固体電池の時代が到来する前に、バッテリー市場がグローバルで急拡大してしまい、完全に戦略を見誤った。経済産業省は同協議会の最終とりまとめを夏頃に予定している。
【参照ページ】第3回 蓄電池産業戦略検討官民協議会
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