オランダ化学大手DSMは3月24日、同社開発の飼料添加物「Bovaer」の大規模実証プロジェクトを行うと発表した。オランダ飼料供給アグリファームを通じ6ヵ月間、同飼料添加物を参画農家に供給する。Bovaerは2月、EUから飼料への使用に関する承認も得ている。
Bovaerは、牛1頭に1日小さじ4分の1杯与えるだけで、げっぷによるメタン排出量を約30%削減でき、牛乳1kgあたりの二酸化炭素排出量を10%から12%削減できる。
同アクションは、2030年までの食料システムに関する同社戦略コミットメントの一環。乳製品生産では、2030年までに二酸化炭素排出量を20%削減、養豚でのアンモニア排出量を30%削減、養鶏でのリン排出量 30%削減を目指している。
【参考】【国際】DSM、食料システム戦略コミットメント発表。栄養改善、CO2削減、農家の所得改善 (2021年9月24日)
【参考】【オランダ】DSM、化学・畜産のCO2削減で新素材販売強化。バイオ・アパレル繊維やメタンげっぷ削減飼料等(2021年2月10日)
2022年後半には、オランダ酪農協同組合フリースランド・カンピーナの酪農家約200世帯が実証プロジェクトに参画予定。実証結果が良好であれば、2023年からBovaerの使用を拡大する。
フリースランド・カンピーナは、2030年までに組合酪農家の二酸化炭素排出量33%削減が目標。牧場での再生可能エネルギー発電、森林破壊の防止が保証された大豆飼料の使用等を進めている。過去にオランダ・レーワルデンで実施した実証では、牛乳1kgあたりの腸内メタン排出量を平均30%削減することに成功している。
【参照ページ】FrieslandCampina and DSM take major step to reduce greenhouse gas emissions from dairy cattle
【画像】DSM
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