金融世界大手米JPモルガン・チェースは3月24日、同社の人種平等について第三者監査を受けると発表した。監査結果は、2022年末までに公表予定。
同社は、アフリカ系、ヒスパニック系、ラテン系米国人コミュニティの格差是正に向けた5年間の人種的平等コミットメントに300億米ドル(約3.6兆円)を投じると発表済み。同アクションの他、金融商品、内部監査の機能等が監査対象となる。
同社は、カナダ合同教会年金基金SHAREと米SOCインベストメント・グループ(旧CtWインベストメント・グループ)から株主提案を受け、取締役による人種平等の監督を求められていた。同社が今回の発表を示すことと引き換えに、両株主が株主提案の撤回に同意していた。
同社のジェイミー・ダイモンCEOはこれまで、有色人種のコミュニティ支援アクションが官僚的になるとの立場を示すとともに、人種平等監査について否定的な見解も示してきた。金融世界大手米シティグループや投資運用世界大手米ブラックロックが、先んじて人種平等監査に乗り出したことも、今回の発表に影響していると考えられる。
人種平等監査については、3月18日にダウも実施を表明。米人権NGOのInvestor Advocates for Social Justice(IASJ)と協働し、監査はコヴィントン&バーリング法律事務所に委託する。その他にもヤム・ブランズ、ウェルズ・ファーゴ、VF等がDE&Iアクションを強化しており、構造的不平等に対する対応が加速している。
【参考】【アメリカ】ダウ、人種平等で法律事務所の第三者監査実施へ。人権NGOとも協働。結果は公表 (2022年3月23日)
【参考】【アメリカ】企業のマイノリティ等DE&Iが加速。ヤム・ブランズ、ウェルズ・ファーゴ、VF等 (2021年6月9日)
【参照ページ】JPMorgan Chase Engages Third-Party for Racial Equity Audit
【参照ページ】At the JPMorgan Chase & Co. (NYSE: JPM) Annual Meeting on May 18th, please vote FOR Proposal 6 requesting the board oversee a racial equity audit analyzing the bank’s adverse impact on communities of color.
【参照ページ】Citi Will Conduct a Racial Equity Audit
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