資源採掘業界モニタリングNGO「責任ある採掘財団(RMF)」は2月22日、資源採掘世界大手のESG方針とアクション、また鉱山現場での基本的なESGアクションを評価した報告書を発表した。ESG課題に関する企業のコミットメントと鉱山現場のアクションとの間に大きな差がある結果となった。
RMFは、2012年にスイスで発足。スイス政府やオランダ政府も活動資金を拠出している。同報告書の目的は、大規模な鉱物・金属鉱山会社による責任ある採掘の継続的な改善を追跡し、奨励することにある。2年ごとに発行されており、今回は資源採掘大手40社と250の鉱山現場が対象となった。日本企業は対象となっていないが、日本企業のサプライヤーは多数含まれている。
今回の報告書では、企業単位でのスコアは、前回2020年のスコアと比較して全体平均で11%の改善がみられた。しかし、前回成績が良かった第1グループの伸びが鈍化しており、業界全体の改善を失速させる懸念を指摘している。
(出所)RMF
また、94%の鉱山現場が15個の基本的なESG課題の評価項目の平均スコアが20%未満という低い結果となった。これは本社が設定している基準に、現場の実践と追跡が追いついていないことを示す。ホストコミュニティや労働者に情報を提供し、関与していることを実証できていない結果となった。
今回の報告書は、企業ごとの平均値と最も優れた結果を出した企業の集合値を比較することで、高パフォーマンスを出した企業の良い事例を採用することで改善ができることを示唆した。優れた実践モデルを取り込み、継続的な改善努力を加速させることが必要だと訴えた。
(出所)RMF
【参照ページ】RMI Report 2022 reveals little ESG action at mine sites
【参照ページ】RMI Report 2022
【参照ページ】Responsible Mining Index 2022
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