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【国際】ICMM、鉱業企業の社会的パフォーマンスに関するガイダンス発行。重要性増す

 国際金属・鉱業評議会(ICMM)は3月1日、鉱業関連企業の社会的パフォーマンスを改善するための新たなガイダンスを発行。実践すべきアクションを明確にした。

 今回のガイダンスは、鉱山会社における社会的パフォーマンス管理のアプローチを強化し、より調和のとれた企業とコミュニティの関係を支援し、前向きな社会経済的成果を実現するための実用的なものとなっている。

 ICMMの定義では、社会的パフォーマンスとは、ステークホルダー、特に採掘事業の近くに住む地域社会に直接的、間接的に影響を与える企業の関与、活動、コミットメントの結果のこと。優れた社会的パフォーマンスを実現するためには、企業は社会的・経済的発展に貢献しながら、人と地球への悪影響を回避する強固な管理のアプローチとシステムを持つことが必要だとしている。
 
 今回のツールでは、地域社会や幅広い社会と良好な関係を構築・維持するために、企業がこれらの能力を強化することを支援する設計となっており、6つの要素から構成されている。

 1つ目は、社会的パフォーマンスの定義ともたらす価値、優れたパフォーマンスを達成する方法の紹介。ICMMの鉱業原則と、各原則ごとに期待される成果が定義され、社会的パフォーマンスとの関係性が高い箇所を整理している。

 2つ目は、社会的パフォーマンスを高めていくための成熟度マトリクスと行動計画策定のためのガイダンス。自社の社会的パフォーマンスシステムを診断し、長所とギャップを特定し、それらを改善するための計画立案と実践ができるものとなっている。

 成熟度マトリクスは、社会的パフォーマンスの4つの主要な観点と5段階の成熟度レベルによって定義。現在のレベルにふさわしい行動と、次のレベルに向かうために必要な行動を特定するのに役立つ。

 
 (出所)ICMM

 3つ目は、社会的パフォーマンスの成功を管理するために必要な経験、スキル、知識の構築することを支援するコンピテンシーフレームワーク。4つの分野に分けた15個の主要なスキルを定義し、4段階のレベルが定義された。キャリアパスやケーススタディも用意され、自社の制度や文化に沿って分析・検討できるようになっている。

 
 (出所)ICMM

 4つ目は、コミュニティエンゲージメントを事業全体に組み込むためのガイダンス。ステークホルダーと事業を行う周辺コミュニティに対して、情報の共有、計画の共同作成、プログラムへの合意、共同での意思決定・パフォーマンスモニタリングなどを行い、信頼関係性を構築することの重要性を説いた。プロジェクトのフェーズと必要な観点ごとに推奨される行動が定義されている。

 5つ目は、社会的パフォーマンスを事業全体に組み込むためのガイダンス。どのように組織を構築し、望ましい社会的パフォーマンスの成果を確保するための事業全体のアプローチの手法について説明している。組織を立ち上げる際の考慮すべき点や実施する仕事の定義を示した。

 6つ目は、社会的パフォーマンスを事業に組み込みことに取り組むリーダーや意思決定者の支援。リーダーが社内の社会的パフォーマンスをよりよく理解し、改善すべき領域を特定するための支援を目的として、8つの観点の指導的質問で構成されている。

【参照ページ】ICMM publishes new tools to improve the mining industry’s approach to social performance
【参照ページ】Tools for Social Performance

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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