金融世界大手スイスのクレディ・スイスは3月10日、2021年サステナビリティ報告書の中で、化石燃料ファイナンスの削減目標を発表した。2022年には詳細なセクターポリシーを策定することも明らかにした。
同社は、2050年までの投融資ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットする銀行のイニシアチブ「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」の加盟機関。その一環として、中長期目標を示した形。
今回の発表では、石炭、石油、ガスのセクターでは、スコープ3まで考慮した排出量が目標設定の対象となっていることを明確化。国際エネルギー機関(IEA)のNZEシナリオに基づき、気候変動に関する金融リスクを検討するための中央銀行・金融当局ネットワーク「気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(Network for Greening the Financial System;NGFS)」が策定したシナリオを参照し、削減目標を設定したことにも言及した。算出では、PCAFと科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)のガイドラインを活用する。
設定した目標は、2050年までに2020年比で排出量を97%、2030年までに49%削減する。2021年にはすでに41%減を実現済み。具体的には、石炭セクターへの投融資エクスポージャーは、2020年12月の10億4,900万米ドルから、2021年12月には6億4,000万米ドルへと39%減。石油・ガスセクターへのエクスポージャーも、2020年12月の130億7,300万米ドルから、2021年12月には98億3,700万米ドルへと25%減。41%を先んじて達成したことで、NGFSのシナリオに沿えることに自信を示した。
同社は同日、ウクライナ情勢に関し、現時点ではロシア市場から撤退する考えないことを表明。ロシアへの市場リスク・エクスポージャーも限定的で、十分マネジメントできる範囲内との考えも強調した。
【参照ページ】Sustainability Report 2021
【参照ページ】Credit Suisse Group update on Russia
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