米カーボンリサイクルLanzaTechは2月21日、米ノースウェスタン大学及び米オークリッジ国立研究所と協働し、工場からの排ガスや、バイオマス源から排出されるガスを、アセトンやイソプロパノール(IPA)に変換する新たな手法を開発したと発表した。
アセトンやIPAは、燃料、素材、アクリルガラス、布地、化粧品等の構成要素となる化学物質。IPAは、世界保健機関(WHO)が推奨する2種類の除菌剤の1つで、新型コロナウイルスに高い効果を発揮する消毒剤としても広く使われている。両物質は化石資源由来のため、二酸化炭素を排出することが課題視されてきた。
今回発表の手法では、LanzaTechが開発したバクテリア「クロストリジウム・オートエタノジェナム(C. auto)」を活用。バクテリアにより二酸化炭素をエタノール、アセトン、IPAに変換できる。
今回の研究では、コンビナトリアルDNAライブラリー、無細胞プロトタイピング、高度なモデリング、オミックス等の最先端の合成生物学ツールを駆使し、商用エタノール生産細菌株を再プログラミングし、アセトンまたはIPAのガス発酵プロセスを開発。経路のリファクタリング、菌株の最適化、プロセス開発のイノベーションの3つのアプローチを通じ、高い性能を実現した。
同社は、米エネルギー省(DOE)の支援のもと、同手法のライフサイクルアセスメント(LCA)も実証済み。大気中に放出される二酸化炭素を活用することで、同排出量を160%削減できることが明らかになっている。LCA結果は、国際学術誌Nature Biotechnologyにも掲載された。
【参照ページ】Closing the Carbon Cycle and Creating a Pathway to Net-Zero
【画像】LanzaTech
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