金融庁は3月4日、中小企業の廃業時の金融機関の在り方を示した「廃業時における『経営者保証に関するガイドライン』の基本的考え方」を発行した。金融庁が設置した「経営者保証に関するガイドライン研究会」がとりまとめた。日本商工会議所と全国銀行協会のホームページにも掲載された。
【参考】【日本】金融庁、「経営者保証に関するガイドライン」の取組事例集公表。地銀・信金・信組が主な対象(2019年8月10日)
【参考】【日本】経営者への担保保証請求融資の割合が減少。金融庁発表。経営者保証ガイドラインの導入広がる(2021年7月2日)
今回の文書は、2014年に中小企業庁と合同で策定した「経営者保証に関するガイドライン」の社会実装の一環。日本では中小企業への融資に関し、経営者個人の保証をとる慣行が、中小企業の新陳代謝や積極的なリスクテイクを阻害していることを問題視している。
同文書は、「中小企業の倒産時に、個人保証をしている経営者が個人破産となるケースが多いことは、中小企業の経営者にとって事業再生の早期決断の大きな阻害要因になっているとの指摘もある」と言及。中小企業の経営規律の確保に配慮しつつ、ガイドラインに基づく保証債務整理の進め方を整理した。法的債務整理手続の開始申立て、あるいは利害関係のない中立かつ公正な第三者が関与する私的整理手続の申立ての際に、同ガイドラインの参照を促している。加えて、リース債権者と、経営者個人の固有債務の債権者も同ガイドラインの対象と明確に言及した。
債権者は、債務者の廃業手続に早期に着手したことによる保有資産等の減少・劣化防止に伴う回収見込額の増加額について、合理的に見積もりが可能な場合は、当該回収見込額の増加額を上限として残存資産に含めることを検討するなど、保証債務の履行請求額を判断。また、対象債権者は、「保証人に自由財産を超える保有資産がない等、保証人の保証履行能力の状況によっては、保証人が対象債権者に対し、弁済する金額が無い弁済計画(いわゆるゼロ円弁済)もガイドライン上、許容され得ることに留意する」とした。
【参照ページ】廃業時における「経営者保証に関するガイドライン」の基本的考え方について(経営者保証に関するガイドライン研究会)
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