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【国際】HSBC、2030年までに投融資ポートフォリオでCO2排出絶対量34%削減目標設定

 金融世界大手英HSBCは2月22日、投融資ポートフォリオの石油・ガス、電力業界を対象に、2030年までの中間目標として二酸化炭素排出を総量で34%削減すると発表した。加えて同社としてPCAFガイドラインに基づく排出量を初めて開示。2019年の融資からのカーボンフットプリントは3,580万t。同排出量削減に向け、ポートフォリオ再編成も辞さない意向を示した。

 同社は2021年10月、投資運用で2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を宣言しており、石炭ダイベストメント方針についても発表済み。今回のアクションでは、二酸化炭素排出絶対量の削減要求も加えることで、その姿勢をさらに厳格化した形。2022年の年次報告では、炭鉱、アルミニウム、セメント、鉄鋼、自動車、航空、船舶等を対象に新たな目標を設定予定。

【参考】【イギリス】HSBC企業年金、投資運用で2050年カーボンニュートラル宣言。DC型も含む(2021年10月10日)
【参考】【国際】HSBC、新たな石炭ダイベストメント方針発表。2030年にEUとOECD加盟国、2040年に世界2021年12月27日
【参考】【イギリス】HSBC、先進国で2030年、途上国で2040年までに石炭関連融資残高ゼロ。株主要求に応える(2021年3月21日)

 今回同社が設定する削減目標は、国際エネルギー機関(IEA)シナリオにおける2030年目標に整合。目標設定では、2050年までの投融資ポートフォリオのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットする銀行のイニシアチブ「Net-Zero Banking Alliance(NZBA)」や、持続可能な市場のためのイニシアチブ(SMI)の金融サービス・タスクフォース(FSTF)のポートフォリオの整合性評価に関する業界のガイダンスを参考にした。

 石油・ガス業界では、上流企業、総合エネルギー企業を対象に設定。スコープ3含むバリューチェーン全体を削減対象とした。一方、電力業界では、2030年までにオンバランスでの銀行融資での排出原単位をTWhあたり0.14万tに設定。2019年比75%削減を目標とした。発電等の上流企業を対象とし、同業界の二酸化炭素排出量の大部分を占めるスコープ1、スコープ2を削減対象にする。

 電力業界に原単位目標を設定した背景としては、電力需要増に対応する必要性に言及。それに合わせ、同社はすでに、再生可能エネルギーや低炭素電力源への投融資も拡大している。

 具体的には、再生可能エネルギー分野の推進や技術開発に投資するファンド「Breakthrough Energy Ventures(BEV)」の支援プロジェクト募集プログラム「ブレイクスルー・エナジー・カタリスト」に対し、1億米ドル(約155億円)を拠出。二酸化炭素の直接空気回収(DAC)、グリーン水素、長期エネルギー貯蔵、持続可能な航空燃料(SAF)への投資を支援する。

【参照ページ】HSBC sets net zero aligned targets to reduce financed emissions from oil and gas, power and utilities sectors

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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