米大統領府(ホワイトハウス)は3月2日、ウクライナに侵攻したロシア政府と、ロシア政府を支援するベラルーシ政府への追加経済措置を発表した。
今回の発表では、まず、商務省が、ロシアに対して発動した輸出規制をベラルーシにも適用。これにより、ベラルーシを経由した物品、技術、ソフトウェアのロシアへの流入を阻止する。また、ロシア軍の戦闘機、戦闘車両、電子戦システム、ミサイル、無人航空機等のロシア事業者合計22社への包括的な制裁も発動する。
他にも、石油・ガス採掘装置の輸出も規制。さらに、ロシアとベラルーシの治安部門、軍事・防衛部門、軍事・防衛研究開発に関与、貢献、支援を行った事業体も制裁対象リストに追加する。これにより、軍だけでなく、航空宇宙、海洋、ハイテク部門も、米国の技術や商品を入手できなくなった。
さらに、ロシア航空機の米国内空域への進入と使用も禁止。ロシアと関係のある者が認証、運航、登録、管理した航空機も対象となる。これにより、ロシアの航空会社の米国発着全便が停止。領空を経由した飛行も禁止された。
別途、米財務省外国資産管理局(OFAC)は3月2日、ロシア経済をさらに孤立させるため、ロシア連邦中央銀行による制裁回避行動を阻止する新たな制裁を発表した。
今回の追加制裁は、ロシア政府が輸出事業者を仲介者とし、資金調達に協力させる措置を講じることで、制裁を回避しようとした行為があったことに伴い、そのような行為も禁止されていることを関係機関に周知させたもの。これにより、ロシア財務省、ロシア政府系ファンド、ロシア連邦中央銀行の外国為替フローを完全に断ち切る考え。
一方で、エネルギー関連の決済に関しては、引き続き許可することに尽力するとも表明。ロシア産のエネルギーに頼る国際社会のエネルギー安全保障やエネルギー価格高騰抑制を最優先する考えもみせた。
また、EUの単一破綻処理委員会(SRB)は3月1日、ロシア金融最大手ズベルバンクのクロアチア子会社とスロベニア子会社に対し、流動性が急速に悪化したとして、破綻処理を確認。全株式をNova ljubljanska bankaに譲渡することが決定したと発表した。ロシア経済制裁で金融大手が破綻したのは初。クロアチアとスロベニアの顧客預金は全額保護される。
一方、SRBは、ズベルバンクの両現地法人の親会社でオーストリアに拠点をおくズベルバンク・ヨーロッパに関しては清算手続きをとるものの、破綻処理は不要と判断。顧客預金は、オーストリア預金保護制度によって10万ユーロ(約1,300万円)まで保護される。
【参照ページ】U.S. Treasury Takes Additional Steps to Strengthen Compliance with Russia-Related Sanctions
【参照ページ】Sberbank Europe AG: Croatian and Slovenian subsidiaries resume operations after being sold while no resolution action is required for Austrian parent company
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