石油ガス世界大手米エクソンモービルは3月1日、石油開発プロジェクト「サハリン1」運営企業からの撤退を発表した。手続きを進める。また、ロシアでの事業開発には今後参画しないことも表明した。BPやシェルに続いた。
【参考】【イギリス・ロシア】BP、ロスネフチ全株売却決定。ロシア事業から撤退(2022年2月28日)
【参考】【イギリス・ロシア】シェル、ノルド・ストリーム2含むガスプロムとの事業を終了。ロシアから撤退(2022年3月1日)
今回同社は、ロシアの軍事行動がウクライナの領土の一体性を侵害したことを遺憾に思うと声明を発表。国際的な対応を支持し、制裁措置を完全に履行することも宣言した。
サハリン1の持分構成は、エクソンモービルの子会社Exxon Neftegasが30%、ロスネフチの子会社Sakhalinmorneftegas-Shelf11.5%、ロスネフチの子会社RN-Astraが8.5%、インドの石油天然ガスONGC Videshが20%、日本の官民コンソーシアム合弁企業サハリン石油ガス(SODECO)が30%。SODECOの出資構成は、経済産業相50%、伊藤忠商事が約18%、石油資源開発(JAPEX)が14%、丸紅が12%、その他が6%。目下、液化天然ガス(LNG)プラントを建設する計画も動き出していた。
同社は同日、別途、テキサス州ベイタウンの石油化学プラントで、ブルー水素生産プラントの建設計画も披露した。水素の生産規模は日量10億ft3(約2,800万3)。オレフィン・プラントの燃料として活用。二酸化炭素排出を最大30%削減できる。また、水素生産で排出される二酸化炭素はCCSで年間1,000万tを回収する。
同社は、2030年までに二酸化炭素の回収能力を年間約5000万t、2040年までに1億tに引き上げることを目標としており、今回のプロジェクトもその一環。3年以内に最終的な投資決定を行う。同社の現在の水素生産能力は日量15億ft3(約4,200万m3)。CCSでも世界全体の900万tのうち5分の1を占め、大半は増進石油回収(EOR)が用途。
同社は2月25日には、子会社モービル・プロデューシング・ナイジェリアの浅海域関連会社を、現地の独立系石油・ガス開発セプラット・エナジーへ売却することも発表。90以上の浅海及び陸上鉱区と300以上の生産井の権益を手放す。一方、深海域での開発事業権益は引き続き保有する。収益性の高い事業に集中すると背景を伝えた。
一方2月21日は、同社子会社エッソPNGプニャンと、パプアニューギニア政府、アンポレックス・リミテッドの3者は、プニャンLNGプロジェクト開発計画に関するプニャンプロジェクトガス協定に調印。新たに天然ガス開発を進め、同国の既存のLNGプラントに供給する。プニャン油田は、4兆3,600億ft3(約1,200億m3)の天然ガスが存在すると推定されている。
さらに2月11日には、ガイアナで2番目となるライザ地区での海上石油開発プロジェクト「スタブローク・ブロック」で、フェーズ2の生産を開始したことも発表。油田発見からわずか7年で総生産能力は日量34万バレルとなった。
【参照ページ】ExxonMobil to discontinue operations at Sakhalin-1, make no new investments in Russia
【参照ページ】ExxonMobil planning hydrogen production, carbon capture and storage at Baytown complex
【参照ページ】ExxonMobil to sell Mobil Producing Nigeria shallow-water affiliate
【参照ページ】ExxonMobil and Papua New Guinea sign P’nyang gas agreement
【参照ページ】
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