英製薬大手アストラゼネカは2月22日、重工業世界大手ハネウェルと協働し、同社ノンフロンHFO-1234ze(商品名「Solstice ze」)を活用した次世代吸入器の開発を行うと発表した。
喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者の多くはこれまで、加圧式定量噴霧式吸入器(pMDI)で吸入薬を吸入してきた。従来の吸入器では、推進剤の地球温暖化係数(GWP)が大きく、二酸化炭素排出源となっていたが、今回のHFO-1234zeは、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)の一種で、ノンフロンに分類。地球温暖化係数(GWP)は1未満と極小で、従来比で99%のGWP低減が可能という。
同社は、2045年までにスコープ3含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)が目標。同年までのスコープ3での二酸化炭素排出絶対量90%削減を掲げており、科学的根拠に基づく企業のカーボンニュートラル目標基準「ネットゼロ・スタンダード」の基準も満たしている。また同社は、主要サプライヤーやパートナー企業の95%に対しても、2025年までに科学的根拠に基づく削減目標の設定を求めている。
【参考】【国際】SBTi、事業会社向けカーボンニュートラル目標認定「ネットゼロ・スタンダード」発表。早速7社承認(2021年10月28日)
両社は今回、健康な成人を対象に、ブデソニド、グリコピロニウム、フマル酸ホルモテロールを含む加圧式定量噴霧式吸入器(pMDI)に、HFO-1234zeを用いたフェーズ1臨床試験を実施。従来の同社COPD治療配合剤「ビレーズトリエアロスフィア」比で同等の安全性、忍容性、有効成分の全身暴露が証明されている。
【参照ページ】AstraZeneca progresses Ambition Zero Carbon programme with Honeywell partnership to develop next-generation respiratory inhalers
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら