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【ドイツ】首相、対ロシア政策発表。エネルギー安全保障のため再エネ・グリーン水素転換重視

 ドイツのオーラフ・ショルツ首相は2月27日、ロシアのウクライナ侵攻に関し、演説。ドイツ政府として5つのアクションを発表した。

 ショルツ首相は、今回のロシア軍の行為を「非人道的」「国際法違反」と表現。全く正当化できないと糾弾した。また、プーチン大統領が「不可分の安全保障」を主張していることに反論し、武力によって大陸を昔ながらの勢力圏に分割しようとしているだけと批判。ロシアへ対抗すると、欧州安全保障は実現できないが、プーチン大統領が安全保障を危うくしている限り、対抗措置を講ずるとした。

 今回発表した行動の1つ目は、ウクライナへの支援。具体的には2月26日に、ドイツからウクライナへの武器供与決定を強調した。

 行動の2つ目は、EUと協働したロシアへの経済制裁。ロシアの株価が30%以上下落したことを、奏功と表現した。また、敵はロシアではなく、プーチン大統領という姿勢を明確にし、大統領に近い人々への制裁を強化していく可能性を示唆した。

 行動の3つ目は、NATOの集団的安全保障義務の無条件受諾。すでにリトアニア、ルーマニア、スロバキアへの配備強化と、北海、バルト海、地中海への艦艇の増派、東欧諸国への対空ミサイル配備の準備があることも伝えた。

 行動の4つ目は、強力なドイツ連邦軍の創設。連邦軍のための特別基金を設立しする計画を披露し、2022年の連邦予算でも、同基金に1,000億ユーロを一括計上すると伝えた。また、その後も毎年、GDPの2%以上を国防予算として投じるという。さらに、同方針をドイツ基本法に明記し、法的義務にする考えも表明した。フランスとともに、次世代戦闘機や戦車を欧州で製造することも重要とした。イスラエルから武装ドローン「ヘロン」の購入も進めるという。

 行動の5つ目は、ロシアへのエネルギー依存度の低減。具体的には、まず、石炭やガスの備蓄。特に、天然ガスの貯蔵量を20億m3にまで増やし、さらに短期オプションとして、EUと協議の上で、天然ガスの調達を増やす。また、ブルンスビュッテルとヴィルヘルムスハーフェンに2つのLNG基地も建設する。一方、2045年カーボンニュートラルを目標を達成するためにも、再生可能エネルギーの開発促進が最重要との考えも披露。LNGターミナルも、グリーン水素の購入基地に将来転換していくことを謳った。

 また直近のエネルギー価格高騰に関しては、再生可能エネルギー電源法に基づく課徴金を年内に解除する他、通勤手当の増額、低所得者向け暖房補助金、家族向け補助金、減税措置等の救済策を決定した。

【参照ページ】Policy statement by Olaf Scholz, Chancellor of the Federal Republic of Germany and Member of the German Bundestag, 27 February 2022 in Berlin

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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