石油・ガス世界大手英BPは2月27日、2013年から保有していたロシアのロスネフチの19.75%の株式を全て売却すると発表した。BPが送り込んでいた取締役2人も辞任。同社との合弁企業3社の持分も全て手放し、ロシア事業から撤退する。
今回の決定に伴い、BPのヘルゲ・ルンド会長は、(ウクライナへのロシア侵攻の)軍事行動は、ロシア事業の関係性を根本的に変化させ、国営企業であるロスネフチとの関係を単純に継続できなくなったと説明した。今回の決定で、ロスネフチは、BPの関連会社でなくなる。
ロスネフチは、BPの石油・ガス資源埋蔵量の約半分、生産量の3分の1を占め、戦略的なグループ会社だった。今回事態が一変し、今回最大250億米ドル(約2.9兆円)の減損処理を見込む。ロスネフチの最大株主は、約40%の株式を保有するロシア政府。BPは、2006年にロスネフチのIPOで株式1.25%を取得。2013年には、ロシアの同社合弁会社TNK-BPをロスネフチに売却し、ロスネフチ株式18.5%を追加取得していた。
米欧日は、ロシアへの経済制裁を発動し、国営企業への経済制裁を発動。ロスネフチはまだ制裁対象にはなっていないが、ロスネフチの経営幹部が個人として制裁指定されていた。また、SWIFTからの排除も決まり、ロシアとの取引や決済でのリスクが高まっていた。
【参考】【国際】米欧日、ロシアへの経済制裁発動。ウクライナ侵攻や域内共和国の国家承認で(2022年2月25日)
【参考】【国際】欧米、ロシアのSWIFT排除を決定。日本も同調。プーチン大統領は核抑止準備へ(2022年2月27日)
BPは2月8日、2021年の決算発表の中で、2050年までに事業、生産、販売の全体でカーボンニュートラルを実現しながら、2030年までのEBITDA成長を目指すと表明。2025年までに新事業への投資が全体の40%超となり、2030年までに新事業からのEBITDAを90億米ドルから100億米ドル水準にすると説明していていた。
【参考】【国際】BP、製品ライフサイクルでのCO2排出量を2050年にカーボンニュートラル化。目標大幅引上げ(2022年2月9日)
【参照ページ】bp to exit Rosneft shareholding
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