日本の環境NGO5団体は2月25日、日本政府に対し、海外の既設石炭火力へのアンモニア・水素混焼導入支援を行わないよう要請する共同声明を発表した。財務省との間で定期開催されている「財務省NGO定期協議」の結果を踏まえ、あらためて抗議した形。財務省は、日本政策投資銀行(DBJ)と国際協力銀行(JBIC)を所管している。
今回の声明では、経済協力開発機構(OECD)の輸出信用部会が2021年11月に改訂した石炭火力発電事業への公的支援に関する新ルール(OECD輸出信用アレンジメント)について、日本政府が、既設石炭火力へのアンモニア・水素混焼導入支援を可能と解釈していることに抗議したもの。
NGO側は今回、OECD輸出信用アレンジメントのパラグラフ6dの文言を基に、CCUS(炭素回収・利用・貯留)以外の削減対策技術は、参加国の今後の要請により議論の対象にすると規定していると説明。すなわち、既設発電所への支援はCCUSに限定されており、現段階においてはアンモニア・水素の石炭火力への混焼は支援対象外となっていると説いた。
一方、財務省は2021年12月23日に開催された財務省NGO定期協議の中で、「(石炭火力発電所の)延命や容量増大を伴わない限りにおいて、CO2の排出削減対策のための支援は可能だという合意になっている。その中ではアンモニアの混焼も、特定して何かを定めているというわけではないが、排除されてもいない。そのような枠組みの合意になっていると我々は理解している。したがって、現時点で一切できないという合意にはなっていない。」との見解を表明していた。
【参照ページ】NGO共同声明「日本政府は海外石炭火力支援に関するOECDルールの解釈を見直すべき~アンモニア混焼等は支援対象外~」を発表
【参照ページ】第77回財務省・NGO定期協議(2021年12月23日開催)の議事録が完成
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