国際オリンピック委員会(IOC)理事会は2月9日、北京冬季オリンピックでカーボンニュートラルを達成するためのサステナビリティへの取り組みについて発表した。IOC理事会は2021年1月に、オリンピック大会運営を含む全ての事業での二酸化炭素排出量を2024年までにマイナスにする「気候ポジティブ」「カーボンネガティブ」を実現すると発表していた。
【参考】【国際】国際オリンピック委員会、2024年にカーボンネガティブ実現。アフリカで大規模オフセット
2022年北京冬季五輪では、二酸化炭素の排出を回避・削減し、カーボンニュートラルを達成するための5つの方針を決定していた。2008年北京大会の5つの会場を再利用して建設を最小限に抑えること、全会場の電力を全て再生可能エネルギーで賄うこと、低炭素技術の導入、低炭素輸送手段の採用、植林によるカーボンオフセットプロジェクトの立ち上げが含まれている。
2022年北京冬季五輪で新しく建設された会場は、水、エネルギー効率、建物の断熱、冷却技術に至るまで、新しい建築基準が取り入れられており、競技会場の建設においては生態系の保全が優先された。環境影響評価を実施し、地域の動植物を保護するため、さまざまな自然保護対策が実施されたとのこと。
2022年北京大会のスノースポーツの多くは人工雪に依存していたが、雪製造による環境への影響を最小限に抑える工夫がされていた。雪製造設備は100%再生可能エネルギーで動作し、水の使用量を最適化するため、節水とリサイクル設計がされた。また、雪を作る工程では化学物質を一切使用せず、地域の生態系への影響を回避した。
今後開催される全てのオリンピック大会は、カーボンニュートラルであることが要求されている。2024年パリ大会の理事会では、すでに「気候ポジティブ」を実現することを約束している。
【参照ページ】Sustainability in the spotlight at Beijing 2022
【参照ページ】Five ways in which Beijing 2022 will become carbon neutral
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