重工業世界大手ハネウェルは2月9日、使用済み食用油や動物性油脂等を原料とした再生可能ナフサの生産を開始したと発表した。石油精製子会社ハネウェルUOPとイタリアEniが精製技術を共同開発した。
同社はこれまで、ハネウェルUOPが開発した「UOP Ecofining技術」を活用し、少量の植物由来ナフサを混入したディーゼル燃料「ハネウェル・グリーン・ディーゼル」及びジェット燃料「ハネウェル・グリーン・ジェット燃料」を生産過程で、副産物としてバイオナフサを生産してした。しかし今回、既存の技術を発展させ、再生可能ナフサを高収率で生産することが可能となった。
今回生産する再生可能ナフサは、まずはバイオディーゼルを生産。従来の石油由来のディーゼル燃料よりも性能が高い。具体的には、従来40から60程度だったセタン価を、80にまで向上できた。そのため、安価な低セタン価のディーゼル燃料と混入させても規制基準を満たすことができる。さらに、従来のナフサと比べ、二酸化炭素排出量を50%から80%削減できる。
ハネウェルは、水素生産と炭素回収・貯留(CCS)を組み合わせたブルー水素生産プラントソリューション「Honeywell H2 Solutions」も提供しており、今回の再生可能ナフサ生産でも導入すると、使用済み食用油等を日量1万バレル活用する場合、石油由来ナフサと比べ、年間100万t以上の二酸化炭素排出量を削減できる。
ハネウェルUOPは現在、世界11カ国でEcofiningユニット23基にライセンス提供。今後、技術導入がいっきに広がる可能性がある。
【参照ページ】Honeywell Introduces New Technology To Produce Key Feedstock For Plastics
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