米ジョー・バイデン大統領は1月21日、環境、健康・ウェルビーイング、アフォーダブルの3つの観点での不動産を促進する新たなパートナーシップ「Building Performance Standards Coalition」を発足。33の州政府及地方政府が初期加盟した。産業界や労働組合とも連携していく。
今回のパートナーシップでは、新たに建築物パフォーマンス基準を策定する。これにより、雇用創出、エネルギーコスト削減、汚染削減、二酸化炭素排出量削減を同時に進める。連邦政府からは資金と技術支援を提供する。
今回の政策は、バイデン大統領が策定した超党派で成立したインフラ投資・雇用法の中で、住宅のレジリエンス向上のために35億米ドル(約4,000億円)の予算を投下し、住宅70万戸の省エネを進めることを盛り込んだことの具体的な政策の一つ。
加盟した33の州政府及び地方政府は、米国人口の22%以上をカバー。床面積では150億平方フィートを超える。州単位ではコロナド州とワシントン州。それ以外は郡や市単位での加盟。
予算面では、インフラ投資・雇用法に基づき、エネルギー省からは18億米ドル(約2,000億円)の予算が提供される。具体的な例では、州主導のエネルギーイニシアチブを推進するため、州・地方・専従姻族政府に資金と技術支援を提供するエネルギー省の「州エネルギープログラム」へ5億米ドル。地方政府が管轄内の省エネ・環境保全政策やプロジェクトを開発・推進・実施・管理することへの支援でエネルギー省の「エネルギー効率化保全ブロックグラントプログラム」に5億5,000万米ドル。州レベルのエネルギー効率化のためのローン債権を資本化するための助成金に2億5,000万米ドル、公立学校施設の効率化と再生可能エネルギーの改善に資金を提供する公募助成金で5億米ドル。
連邦政府から加盟地方政府への技術支援としては、エネルギー省(DOE)と環境保護庁(EPA)が協働。建築物パフォーマンス政策の設計、測定、管理する際に利用できる分析ツール等の技術支援の施策を展開していく。
今回の施策では、不動産の省エネ対策と雇用創出をつなげることが大きな政策の肝。すでに省エネ対策関連の労働者の賃金は、全米平均を28%上回っており、所得向上効果も狙う。
ジャスト・トランジション(公正な移行)では、エネルギー省のパシフィック・ノースウェスト国立研究所での検討を開始する。2022年春に検討結果を受け取る考え。
【参照ページ】FACT SHEET: Biden-Harris Administration Launches Coalition of States and Local Governments to Strengthen Building Performance Standards
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