アジア太平洋地域の環境NGOは1月18日、ユニリーバがインドネシアで実施してきたプラスチック製包装のケミカルリサイクル実証プログラムが、失敗に終わったとする報告書を発表した。
今回の発表を行ったのは、フィリピンに本部を置くGlobal Alliance for Incinerator Alternatives(GAIA)。話題の焦点は、ユニリーバが2017年に発表していたプログラムで、プラスチック包装を再利用する新たな技術「CreaSolv® Process」を、ドイツのフラウンホーファー・プロセス工学・パッケージング(IVV)と共同で開発し、インドネシアで実証をしていたもの。廃棄物を回収する雇用も創出しつつ、ケミカルリサイクルを目指していた。
【参考】【イギリス】ユニリーバ、プラスチック包装リサイクルの新技術開発。インドネシアで実用化試験(2017年5月22日)
同レポートによると、ユニリーバは2017年から2年間はプログラムが順調に行っていた模様だが、その後、物流、費用、技術面での課題を理由に、ひっそりと創業を停止していたという。特に、今回の実証では、多層構造のプラスチック小袋のリサイクルを目指していたが、同工場では単層の小袋しか処理できなかった模様。
同社は当初の計画では、2019年に1,500t、2020年に5,000tを回収することを目指していたが、今では工場は閉鎖されているという。2011年からの建設予算は1,000万ユーロ(約11億円)。閉鎖後には、倉庫に小袋が保管されたり、焼却されたり、埋立廃棄されていると報じられている。
同NGOは、小袋の製造をやめ、再利用や詰替え用の流通システムを構築すべきと主張している。
【参照ページ】INVESTIGATION REVEALS: UNILEVER’S EXPENSIVE PLASTIC SACHET CHEMICAL “RECYCLING” FAILURE
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