国際環境NGOの保険会社への脱炭素推進ネットワーク「Insure Our Future」は1月20日、ブラジルの海底石油・ガス掘削への損害保険提供に関する調査レポートを発表。Chubb、MAPFREに並んで、東京海上ホールディングスの保険引受が多いと批判した。
今回のレポートは、海底での石油・ガス開発事業が、気候変動を緩和するパリ協定との目標に整合的でないとの理由から調査、報告された。ブラジルの現政権は、今後10年間で最大70%の石油増産を計画しており、風当たりが強まっている。今回は開発事業に対する保険会社の姿勢に焦点が当たった。加えて、生物多様性の観点からも、海洋生態系への悪影響も指摘された。
特に同報告書は、これまで非公開だった内部資料を用いて、ブラジルの石油・ガスの約93%を採掘している国営石油ペトロブラスの損害保険引受会社を糾弾。結果、ペトロブラスの一般民事賠償責任のうち、東京海上ホールディングスが40%、Chubbが60%を引き受けており、輸送での保険をChubbが50%、MAPFREが40%、東京海上ホールディングスが10%を引き受けていることがわかったという。
他にも、ブラジルのAustral Seguradoraが、商品や設備に関する生産・探査事業リスク保険を、Gard P&IとSkuld UK P&Iは共同して海洋保護及び損害補償の保険を引き受けている模様。
ペトロブラス以外のグローバル企業にも、東京海上ホールディングス、リバティ・ミューチュアル、アクサ、Fairfax、Argo等の企業が保険を提供していることも判明したと書かれている。
東京海上ホールディングスは1月19日、保険引受での2050年までのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)にコミットするイニシアチブ「Net-Zero Insurance Alliance(NZIA)」に加盟したと発表したばかりだった。
【参考】【日本】東京海上HD、保険カーボンニュートラルNZIAに加盟。PCAFにも加盟(2022年1月19日)
【参照ページ】DOCUMENTS REVEAL CHUBB, MAPFRE & TOKIO MARINE BACKING MASSIVE OFFSHORE OIL EXPANSION IN BRAZIL
【参照ページ】【プレスリリース】東京海上、チャブ、MAPFREがブラジルのオフショア石油採掘の拡大を支援していることが判明
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