世界経済フォーラム(WEF)は1月20日、世界のデジタル経済化の中で、アフリカの地域政府が採るべき戦略をまとめたレポートを発表した。3つの柱を提示した。
今回のレポートは、WEFとデロイトの共同作成。アフリカ経済をデジタル化で追い風を受けられるようにするためには、民間イノベーションの重視、スタートアップ企業へのインセンティブ付け、STEM関連の高等教育の3つが重要とした。
民間イノベーションでは、チュニジアやセネガルを先進事例として取り上げた。イノベーションを促進するため、規制負担の軽減や起業家を育む法律の制定を具体例として説明した。インセンティブ付けでは、起業や技術導入に対する助成金や、重要インフラへの共同投資、創業期の非課税措置等を挙げた。
アフリカでは、ケニアのモバイルマネーソリューション「Mpesa」や、アフリカ初のユニコーンであるオンライン小売大手「Jumia」等の技術系スタートアップ企業が生まれており、2020年には、過去5年間で6倍の12億米ドルの新規資金を調達。しかし、2020年に米国の新興企業が1,560億米ドル調達したことと比べると1%にも満たない。また、アフリカの研究開発投資額は、2019年にはGDPの0.42%にとどまっており、世界平均の1.7%の4分の1以下だった。
インセンティブでは、アフリカ32カ国の政府による188のビジネス向けインセンティブを分析した結果、第4次産業革命技術への投資を促進するインセンティブはわずか14で、10%にも満たなかった。インセンティブ制度のほとんどは、効果測定のためのモニタリングや評価システムを欠いていることも課題として指摘した。
教育面では、STEM関連(科学、技術、工学、数学)の学位を取得しているのはわずか2%。
アフリカでは、インターネット利用人口が全体の39%にとどまり、世界で最もインターネット接続が遅れている大陸。一方、グーグルは2021年10月、アフリカでのデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するため10億米ドル(約1,100億円)の投資計画を発表。欧州とアフリカを結ぶ海底ケーブルに敷設し、2025年までにアフリカのデジタルネットワーク容量を20倍にまで拡大。雇用創出効果も170万人として打ち出し、経済効果も1,800億米ドル(約20兆円)と見積もった。
他にも、中国のIT大手や、マイクロソフトも積極的にアフリカへのIT投資を進めている。
【参照ページ】Tech Start-ups Key to Africa’s Digital Transformation but Urgently Need Investment
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