米カリフォルニア州大気資源局(CARB)は1月14日、「大型低NOxオムニバス規制」で義務付けられている排ガス規制関連機器製品の保証期間の長期化について、コスト試算結果を発表。産業界の主張より、コスト試算結果は大幅に下回るとし、2024年以降の規制導入を計画通り実施する考え。
今回の試算実施は、2020年8月にCARB理事会で、「大型低NOxオムニバス規制」の導入が決定したことによるもの。同規制では、2024年モデル以降の大型トラックのエンジンに搭載される排ガス低減装置の製品保証期間を長くすることを義務化。一方、同理事会は、過剰なコスト負担を産業界に負担させることを避けるため、コスト試算を同局に指示していた。
今回の検討結果では、まず、新規性のコストと、得られる社会的メリットを算出。結果、約23億9,000万米ドルのコスト増に対し、推定234億米ドルの社会的便益が生まれることがわかった。背景には、規制期間中にディーゼル車の排ガスが減少することで、2,480人の命が救われ、2,010人の入院が回避されることが織り込まれている。
今回の一件で、産業界は、保証期間引き延ばしによるコスト負担増を全て「保証コスト」とみなすことを主張したのに対し、同局は、基本的に「設計コスト」とみなすべきと主張。過剰な保証コスト増の議論を退けた。また、新技術の保証コストを含めたとしても、当初算出したコスト額とほぼ同じであり、過剰なコスト増ではないと結論づけた。トラックを所有している事業者にとっても、保証期間の延長は、中古車両としての価値を上げるため、好ましいとした。
新ルールは段階的に導入され、エンジンメーカーには相応の準備期間が与えらている。エンジンが満たすべき窒素加工物(NOx)の基準値は、2024年から現行の基準値の約75%減、2027年には同約90%となる。2031年までに完全施行されると、州全体で1日あたりNOxが17t削減できるという。
【参照ページ】CARB releases warranty cost study for Heavy-Duty Omnibus Regulation
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