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【国際】機関投資家300兆円、コロナワクチン4社に途上国への配布強化で共同声明。株主提案も

 機関投資家約65機関は1月6日、新型コロナウイルス感染症ワクチンの医薬品メーカー4社に対し、世界中の医薬品アクセスを実現するよう求める共同声明を発表した。世界保健機関(WHO)が掲げるワクチン接種普及指針の遵守するよう要請した。

 今回の共同声明に署名したのは、野村アセットマネジメント、PGGM、英大学退職年金基金(USS)、ストアブランド、Achmea、Actiam、ClearBridge Investments、NEI、Pensioenfonds ING等。運用資産総額は3.5兆米ドル(約400兆円)。機関投資家は2020年4月にも、新型コロナウイルス・パンデミックを抑えるために医薬品メーカーに尽力を求める声明を出しており、今回はそれに続く第2弾。

 今回の声明の対象は、ファイザー、モデルナ、ジョンソン&ジョンソン、アストラゼネカの4社の報酬委員会委員長。4社の経営陣に関し、WHOの指針に基づく報酬方針の確立も求めている点が大きな特徴。具体的には、ワクチンの生産スケジュールと発展途上国低所得国への配布計画と実際の配布状況について完全な透明性を確保すること、ワクチン接種率の高い国と協力して、世界規模でのワクチンの供給と共有を最適化することを等が盛り込まれている。国際的なワクチン配分制度であるCOVAXやAVATの契約を優先履行することと、特許や生産施設の共有を進めることも掲げた。

 モデルナに対しては、2020年12月、英リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)から株主提案が提出され、同社が米国政府から受け取った補助金25億米ドル(約2,900億円)が薬価にどのように反映されているかを明らかにするよう要求。ワクチン価格の引き下げ圧力がかかった。モデルナは、COVAXに加盟するのも遅く、先進国に優先的にワクチンを提供しているとの批判を受けていた。

【参考】【国際】コロナ禍でワクチンナショナリズム発生。世界経済フォーラム、最も経済合理的なのは国際協調(2021年1月11日)

 モデルナは、LGIMからの要求後の2020年12月17日、米証券取引委員会(SEC)に対し、株主提案却下の申立て申請を実施。LGIMからの指摘に反論した。しかし同日、COVAXとの間で、最大1.5億回分のワクチンを最低価格で提供することで合意し、2022年第1四半期分配予定の2,000万回分を2021年代4四半期に前倒しすることも発表。LGIMの株主提案の影響があったことは否めない。

【参照ページ】Institutional investors take action: vaccine equity no longer optional
【参照ページ】Dear Chair of the Board and Chair of the Remuneration Committee
【参照ページ】Letter
【参照ページ】Gavi and Moderna reach agreement for additional supply to COVAX

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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