スウェーデンNGOのChemSec(国際化学物質事務局)は12月9日、化学世界大手50社を対象とした有害化学物質対策ランキングの2021年版を発表した。日本企業も社含まれている。
ChemSecは、2002年にスウェーデン政府の支援を受け発足。EUのREACH規則の下で法的に使用が制限される可能性が高い化学物質リストのデータベースを管理していることでも有名。運営には、アップル、イケア、レゴ、HM&も協働している。今回発表のランキング「ChemScore」も、スウェーデン環境保護庁がプロジェクト資金を拠出している。
ランキング首位は、タイのインドラマ・ベンチャーズで50社中で唯一「B」ランクを獲得。2位はオランダのDSM、3位は米国のエア・プロダクツで双方とも「B-」。米国のエイブリィ・デニソンが4位で「C+」。それ以降、米ジョンソン・マッセイ、東レ、仏エア・リキード、英リンデ、三菱ケミカルホールディングス、蘭ライオンデルバセルの順。
日本企業は6位に入った東レ、9位に入った三菱ケミカルホールディングスの他は、15位に三井化学、16位に住友化学、21位に日東電工、28位に旭化成、34位に信越化学工業、39位に昭和電工、4位に東ソー、45位にDIC(旧・大日本インキ化学工業)となった。
評価手法は、「製品ポートフォリオのうち有害化学物質の占める割合」「研究開発での努力」「マネジメント・情報開示」「コントラバーシーの量」の4つ。
今回の調査によると、50社中38社が、グリーンまたはサステナブルな製品をHPで積極的にアピールしているが、有害化学物質の生産量に関する情報を公開している企業はゼロ。また、既存の有害化学物質を段階的に削減する計画を証拠を持って開示している企業は50社中わずか4社しかなかった。ChemSecは、すべての企業が、危険なほど大量の有害化学物質を生産し続けていると批判した。
同データは、欧州ではすでに機関投資家の間で、ESG評価の一つとして活用されはじめている。
【参照ページ】Chemical companies tout green credentials whilst developing hazardous chemicals behind closed doors
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