欧州委員会は12月31日、加盟国サステナブルファイナンス専門家グループと、サステナブルファイナンス・プラットフォームとの間で、継続議論となっていた天然ガス及び原子力エネルギーでの「タクソノミー補完的委託法令」の草案作成に関する協議を開始した。
【参考】【EU】EU理事会、EUタクソノミー気候委託法令を最終承認。正式に成立。2022年1月に施行(2021年12月10日)
気候変動緩和・適応のEUタクソノミー委託法令は、12月9日に最終確定しているが、天然ガスエネルギーと原子力エネルギーについては継続議論とし、タクソノミー補完的委託法令として別途制定する扱いとなっている。
欧州委員会は、今回の協議開始に際し、再生可能エネルギーを主とする未来への移行を促進する手段として、天然ガスと原子力の役割があると定義。但し、タクソノミー上でどのように扱うかについては、依然として加盟国の間で見方がわかれている。
欧州委員会は、妥協策として、天然ガスと原子力については、その他のタクソノミーカテゴリーと切り分けて、識別できるようにすることで、企業や金融機関の需要に配慮する考え。また、一回の議論のみで終着させないよう、技術の進歩に応じて基準を改訂していく指針も明確にした。
加盟国サステナブルファイナンス専門家グループと、サステナブルファイナンス・プラットフォームは、双方、1月12日までに欧州委員会に意見を提出することが要求されている。それを受け、欧州委員会は、1月中に補完的委託法令を正式に採択する計画。その後、欧州議会とEU理事会での4ヶ月間の異議表明判定期間に入る。EUタクソノミー規則では、欧州議会またはEU理事会が4ヶ月では不十分と判断する場合、特例として2ヶ月間の異議表明期間延長が可能。異議表明には、EU理事会では、EU人口の65%以上を代表する加盟国かつ20ヶ国以上の賛同が必要。欧州議会では、単純多数決となる353人以上の議員の賛同が必要。期間内に異議がなければ、自動的に委託法令は成立する。
【参照ページ】EU Taxonomy: Commission begins expert consultations on Complementary Delegated Act covering certain nuclear and gas activities
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