英環境・食糧・農村地域省は12月18日、貴重な泥炭地の生息環境を保護し、カーボンニュートラル目標を達成するため、イングランド地方とウェールズ地方の園芸で泥炭使用を段階的に禁止する政策を発表した。パブリックコメントを募集し、法制化しにいく。
同省によると、泥炭地は英国最大の炭素貯蔵庫だが、英国では日常的に園芸栽培目的で掘り起こされているという。英国で販売されている泥炭の70%は、袋詰めされた小売用の栽培用。さらに同省は、泥炭の採取は、泥炭地の景観を悪化させ、希少な動植物の生息地を破壊し、洪水防止や水の濾過にも悪影響を及ぼすと言及した。
今回発表の政策では、泥炭を含む培地袋の販売に手数料を課すことや、泥炭を含む製品を使用しないよう促すラベル表示等を義務付けることを盛り込んでいる。他にも、泥炭を含む商品の販売事業者に販売量報告を義務付けることも検討している。
同省は、泥炭地においては、パルディカルチャー(Paludiculture)と呼ばれる再湿潤した沼沢地や湿地帯等で行う農法を推奨。一酸化窒素(N2O)や二酸化炭素の排出を防ぎ、冷湿な空気を供給することで気候変動を緩和する効果があると提唱している。また、園芸栽培では、泥炭に代わる持続可能な代替品として木質繊維、樹皮、グリーンコンポスト、ウール、コイア等があると紹介した。
【参照ページ】Plans to phase out the use of peat in the amateur horticulture sector
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