金融世界大手英HSBCは12月14日、2030年までにEUおよび経済協力開発機構(OECD)加盟国で、2040年までに、世界全体で石炭火力発電所に対する投資を段階的に廃止すると発表した。同ポリシーは、科学的知見や国際的なガイダンスに基づき、年次で見直しを実施予定。
同社は5月、株主総会で石炭関連向けの融資からの段階的廃止を決議。今回のアクションもその一環。10月には、投資運用で2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を宣言済み。同目標に整合しない投資先からの撤退を進める。
【参考】【イギリス】HSBC、先進国で2030年、途上国で2040年までに石炭関連融資残高ゼロ。株主要求に応える(2021年3月21日)
【参考】【イギリス】HSBC企業年金、投資運用で2050年カーボンニュートラル宣言。DC型も含む(2021年10月10日)
同ポリシーでは、定量的な成果を測るため、短期目標も設定。2022年には、投資ポートフォリオ上での石炭火力発電からの二酸化炭素排出量削減目標を発表する。
また同社は、2025年までに石炭火力発電ファイナンスへのエクスポージャーを、少なくとも25%削減。2030年までには、2020年の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)報告を基準に、同エクスポージャーを50%削減する。
同社投資先のうち、石炭火力発電事業を有する企業には、2023年までに移行計画の策定を要請。同社は、投資先企業の移行計画について、二酸化炭素排出量削減目標の水準や戦略の明確性、信頼性、情報開示の適切性、ジャストトランジション(公正な移行)の考慮等の観点から、年次で評価を行う。
移行計画が同社の2050年カーボンニュートラル目標に整合しない場合や、2021年1月1日以降に、石炭火力発電の拡大意向の示す企業に対しては、新規の融資やアドバイザリー・サービスの提供を停止する。
EUおよびOECD加盟国では、総収益の40%以上または2025年までに総収益の30%以上を石炭火力発電が占める企業に対しても、クリーンテクノロジーやインフラへの融資であることが明確な場合を除き、同サービスの提供を行わない。
【参照ページ】HSBC announces thermal coal phase-out policy
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