EU理事会は12月20日、重要なインフラ事業者のレジリエンスに関する新たなEU指令の制定に向けた大方針を採択した。同指令案は、欧州委員会が2020年12月に提出。今回の採択を受け、今後、現在のEU理事会議長国スロベニアは、欧州議会との協議に入る。成立すると、2008年の同様の指令に代わるルールとなる。
今回の制定予定EU指令では、エネルギー、輸送、銀行、金融市場インフラ、健康、飲料水、排水、デジタルインフラ、宇宙の9分野を重要なインフラ事業と指定し、重要な事業者に対しレジリエンスの構築を促進。自然災害、テロ、パンデミック等の緊急事態に対し、予防、防御、対応、対策、回復ができるようにしていく。
具体的には、EU加盟国に対し、重要な事業体のレジリエンスを高めるための戦略策定、少なくとも4年毎のリスクアセスメント実施、重要な事業者の指定を行うことを義務化する。指定された事業者は、重要なサービスの提供を著しく阻害する可能性のある関連リスクを特定し、レジリエンスを確保するための適切な措置の実行や、破壊的なインシデントを所轄官庁に通知することが求められる。
対象な事業者指定のルールでは、加盟国の3分の1以上に基礎的サービスを提供している場合、特に重要とみなされ、欧州委員会自身がEU加盟国に対し、指定を勧告することもできるようにする考え。
また欧州委員会は別途、EU全体で高い共通レベルのサイバーセキュリティを実現するための措置に関する指令(NIS2)案も発表し、重要なインフラ事業者のレジリエンスに関するEU指令との整合性を確保する必要性も強調。EU理事会が決定した進め方では、NIS2も、レジリエンス検討の一要素として組み入れることを決議した。
【参照ページ】Strengthening EU resilience: Council adopts negotiating mandate on the resilience of critical entities
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