三菱ケミカルホールディングス傘下の三菱ケミカルと三菱ケミカルメタクリレーツ(MCM)は12月9日、米Agilyxとの共同研究の結果、Agilyxのオレゴン州ティガード工場で、アクリル樹脂と知られるPMMA(ポリメチルメタクリレート)の解重合技術開発の実証に成功したと発表した。ケミカルリサイクルの道が拓けた。
Agilyxは、独自の熱分解技術を持ち、2020年からMCMとの共同研究を開始。2021年8月から実証試験を始めていた。解重合した素材は、従来のMMA(メタクリレート)と同等の品質水準まで純度を高める実証を、英ウィルトンの三菱ケミカル工場で行っている。
三菱ケミカルとMCMは、日本でもマイクロ波化学と協働し、アクリル樹脂リサイクルの事業化に向けた検討を行っている。
同社は11月には、日本国内で廃棄される漁網を再利用した再生ナイロン樹脂を、従来のナイロン糸「キラビス」と特殊紡糸技術を用いて混合した新しいナイロン糸「KILAVISRC(キラビスアールシー)」を開発し、日本国内で量産体制を整備したことも公表している。海洋プラスチック汚染の大きな問題となっている漁網のリサイクルを始める。キラビスアールシーは、原料段階で着することで染色工程が不要となり、水消費量、電力消費量、廃水汚染も抑えられる模様。
キラビスアールシーは、ナイロン繊維の特長である優れた摩擦堅牢度を持ち、長繊維であるため遊び毛の発生も少なく、カーペットとして使用した場合の掃除も簡単という。
【参照ページ】Agilyx社とのアクリル樹脂ケミカルリサイクル実証試験の成果について ~プラントスケールでアクリル樹脂の解重合技術を実証~
【参照ページ】漁網を再利用した樹脂を用いたナイロン糸の販売開始について
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