電子機器業界サステナビリティ推進機関RBA(責任ある企業同盟)の責任ある鉱物イニシアチブ(RMI)は12月15日、鉱物サプライチェーンのすべての上流関係者に適用されるガイドライン「鉱物サプライチェーンのためのグローバル責任ある調達デューデリジェンス・スタンダード-全鉱物」を新たに発行した。
同ガイドラインは、「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」との整合性を確保。EU紛争鉱物規則や、現在審議中のEUバッテリー規則案にも対応したものとなっている。
適用対象は、全ての鉱物の採掘、取引、加工に関する全ての上流事業者。RMIの「責任ある鉱物保証プロセス(RMAP)」で2022年の評価から同ガイドラインの内容を反映させる。最初に審査を受ける企業は、RMIの早期監査基金から補助金が出、監査費用が全額免除される他、毎年追加で補助金が支給される可能性もある。
また、OECDの同ガイダンスだけでなく、広範なESG基準に準拠していることを証明したい企業には、RMIの「鉱物サプライチェーンのためのESGスタンダード」を今回発行のスタンダードに追加する形で導入することで、1回の監査で両方の基準に対するパフォーマンス評価を受けることができる。
【参考】【国際】RMI、鉱物サプライチェーンESGスタンダード策定。保証制度RMAPで運用開始(2021年6月8日)
RMIは、鉱物の加工業者に関する情報を収集するためのRMIの企業識別質問票(CIQ)や、鉱物のサプライチェーンにおける環境・社会・ガバナンス(ESG)管理の学習、協力、改善を促進するためのマテリアル・インサイト・プラットフォームの他、ESG問題をカバーする業界規範に対する精製業者、製錬業者、採掘事業者の自己評価を実施するためのリスク・レディネス・アセスメント等のツールも提供している。
RMIは、今回のガイドライン発行後、現在コバルトと雲母のみをカバーしている拡張鉱物報告テンプレート「EMRT」に、さらに鉱物を追加し、企業が錫、タンタル、タングステン、金(3TG)以外の鉱物サプライチェーンをマッピングできるようにする予定。
【参考】【国際】RMI、雲母とコバルトの紛争鉱物テンプレートEMRT1.01版リリース。マイナー更新(2021年12月10日)
【参照ページ】Responsible Minerals Initiative Releases New Global Standard for All-Minerals Due Diligence
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