G7外相・開発相会議は12月11日と12日、英国を議長国とし会合を開催。中国、ロシア、イラン、リビア、エチオピア、北朝鮮、アフガニスタン等の国々に対する情勢について議長声明を発表。今回の会合には韓国、オーストラリアの閣僚も参加。加えて、ASEANの閣僚も初めて参加した。
今回の議長声明では、まず、第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)で採択されたグラスゴー気候協定を歓迎するとともに、新型コロナウイルスのオミクロン変異株に関しては、11月に発表されたG7保健相声明で示された2022年の発展途上国を含む世界中でのワクチン接種、サプライチェーンのオープン化、地域のワクチン製造・規制能力の拡大、保健システムの強化を再確認した。
中国に関しては、香港や新疆ウイグル自治区、東シナ海や南シナ海の状況、台湾海峡の平和と安定の重要性について議論したことを明言。強圧的な経済政策への懸念を表明した。
ロシアに関しては、EUも声明に加わった形で、ウクライナに対する軍事力増強と攻撃的な言動を非難。ロシア政府に対し、緊張緩和や、外交ルートを追求し、軍事活動の透明性に関する国際公約を遵守するよう求めた。その上で、ベラルーシに対しても、市民の権利を抑圧する行為に懸念を表明し、ルカシェンコ政権を非難した。
イランに関しては、核開発のエスカレートを止めるよう改めて表明。北朝鮮に対しては、挑発的な行動を控え、核廃絶を明確な目標とする外交プロセスに関与することを改めて求めた。アフガニスタンに関しては、人道危機に懸念を示し、基礎的サービスを支援することで一致するとともに、タリバンに対しては発言ではなく行動で姿勢を評価することも確認した。
リビアに関しては、12月24日からの大統領選挙及び総選挙が信頼できる形で行われるよう支持を表明。エチオピアに関しては、全土への包括的、無制限かつ持続的な人道的アクセスを求めた。また、ロシアの傭兵集団ワグナーがアフリカを不安定化させていることに重大な懸念も再表明した。
ASEAN諸国の外相を交えた会合では、インド太平洋情勢を議論。自由で開かれたインド太平洋を維持するとともに、質の高いインフラ、グリーントランジション、持続可能な経済発展、技術等について、ASEANへの強い関与と協力を再確認した。ミャンマー情勢については深い懸念を表明した。
G7首脳は12月3日、「インフラ及び投資に関するG7首脳声明」を発出。発展途上国に向け、気候変動への対応、カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)への移行、保健・健康安全保障インフラ、デジタル・運輸・エネルギーの連結性(コネクティビティ)、教育インフラ、ジェンダーの公平性推進及び不平等との闘いのためにインフラ投資の拡大が必要と指摘。インフラ分野の資金ギャップの縮小、インフラの質、サステナビリティ、レジリエンスの向上、気候変動への対処、生物多様性保全、カーボンニュートラルの移行で他のステークホルダーと連携することを掲げた。
【参照ページ】G7 Foreign and Development Ministers’ Meeting, 11-12 December 2021: Chair’s Statements
【参照ページ】G7 Foreign Ministers’ Statement on Russia and Ukraine
【参照ページ】G7 LEADERS STATEMENT: PARTNERSHIP FOR INFRASTRUCTURE AND INVESTMENT
【参照ページ】インフラ及び投資に関するG7首脳声明
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