国際ブルーカーボン推進イニシアチブ「安全な海藻連合(Safe Seaweed Coalition)」のステアリングコミッティは11月25日、初の助成案件15件を採択した。助成金額は総額約70万ユーロ(約9,000万円)。
【参考】【国際】国連グローバル・コンパクト、海藻産業のサステナビリティで「安全な海藻連合」発足(2021年3月19日)
Safe Seaweed Coalitionは、海藻の安全及びサステナビリティを促進するための国際パートナーシップ。3月に設立された。小規模事業者からグローバル企業までが参画しており、ステアリングコミッティには幅広いステークホルダーから科学者が結集。具体的には、国連食糧農業機関(FAO)、地球環境ファシリティ(GEF)、フランス国立科学研究センター(CNRS)、国連大学、ダルエスサラーム大学、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界自然保護基金(WWF)、ロイズ・レジスター財団、オーストラリア海藻協会、公州大学校、ネスレ、理研食品、SIG Seaweedから選出されている。
今回の助成金応募には、33カ国から71件の応募が集まった。その中から、海藻業界のスケールアップ、安全性向上、サステナビリティ向上に寄与するプロジェクトが選定された。今後3年間で総額300万ポンド(約4.5億円)の助成を行う計画。
今回選ばれた15件のプロジェクト内容は、
- B'ZEOS(ノルウェー):法規制の問題解決
- アルフレッド・ウェゲナー研究所:中央集約型の海藻遺伝子バンクを構築
- フィリピン大学:現地のユキノシタの養殖
- Sea PoWer(タンザニア):海藻養殖での女性エンパワーメント
- マラヤ大学:カラギーナン産業のためのグローバルな分類学的枠組みを構築
- SUBMARINER Network for Blue Growth:バルト海で海藻養殖のモニタリングやライセンス条件に関する環境ガイダンス、提言、ポジションペーパーを作成
- ケルプフォレスト財団:ケルプ養殖の環境DNAサンプルを用いて、生物多様性の経年変化をモニタリング
- Notpla(英国):海藻を使用したパッケージを実証。消費者にも情報提供
- 寧波大学:海藻の栽培と安全な生産のための技術トレーニング
- ユヌス財団(タイ):海藻産業でのソーシャルビジネスモデル開発
- Ocean Farmers:マダガスカルの海藻養殖産業の持続可能性と安全性確保のため、優れた品種の収集、カタログ化、特定。バイオセキュリティポリシー策定
- Banco Español de Algas(スペイン):マクロネシアの海藻リファレンスコレクション作成
- Sea Health Products:昆布の孵化技術を開発し、商業養殖をオーストラリアで実践
- Universidad Austral de Chile(チリ):バイオセキュリティに関連したリスク管理を支援するツールを開発。ペリリューの害虫や病原菌の特徴を明らかにし、バイオバンク化
- Aber Actives:天然の海洋細菌を用いた藻類バイオリファイナリー開発
【参照ページ】The Safe Seaweed Coalition awards €700,000 in first Call for Proposals
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