自動車世界大手米フォードは12月8日、海洋プラスチックごみを回収し、世界初となる海洋プラスチックごみ由来の再生素材を100%活用した自動車部品を製造すると発表した。「フォード・ブロンコ」車種のスポーツモデルのワイヤーハーネスのクリップで採用する。
今回開発した製品は、従来の石油由来のものと比べ、製造コストを10%削減できる他、エネルギー消費量も削減可能。耐久性と強度も従来製品と同等だという。
米NGOピュー慈善信託によると、海洋プラスチックごみは、年間で最大1,300t発生。その多くは漁業によるもので、特に海洋に回流する漁網「ゴーストネット」は、海洋プラスチックごみの10%を占めるという。プラスチック製の漁網は、耐久性が高く、軽量で浮力もあり、低コストなため、行業関係者からは重宝される一方、海洋生物の生態系への悪影響から危惧されている。
フォードは今回、オランダ化学大手DSMの機能素材子会社DSMエンジニアリング・マテリアルズおよび英配線資材製造ヘラマンタイトンと協働する。DSMエンジニアリング・マテリアルズが、インド洋およびアラビア海で海洋プラスチックごみを回収し、ペレットに還元。その後、ヘラマンタイトンがワイヤーハーネスクリップとして射出成形する。
フォードはすでに、トランスミッションブラケット、ワイヤーシールド、フロアサイドレール等についても、海洋プラスチックごみからのリサイクルで部品製造を計画。いずれも従来と同等かそれ以上の耐久性と強度を誇るという。
【参照ページ】FORD BRONCO SPORT BECOMES FIRST VEHICLE TO FEATURE PARTS MADE OF 100% RECYCLED OCEAN PLASTIC
【画像】Ford
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