ブラジル化学大手ブラスケムは11月8日、米エチレン製造大手ラムス・テクノロジーに対し、同社が持つさとうきび由来エタノールからのエチレン生成ライセンスを提供すると発表。今回、協議を進める覚書を締結した。世界で120以上のエチレンプラントを持つラムス・テクノロジーが事業を大規模に転換させる。
ブラスケムは、さとうきび由来のバイオプラスチックの生産で世界をリードする企業。一方、ラムス・テクノロジーは、世界のエチレン生産能力の40%を占める。ラムス・テクノロジーは現在、北米とアジアで2つのエチレンプランの事業転換を進めており、今回ブラスケムの技術を投入することがわかった。
ラムス・テクノロジーは、米エンジニアリング大手マクダーモット・インターナショナル傘下の企業だったが、マクダーモット・インターナショナルが2020年1月に連邦倒産法第11章に基づく事業再建を発表し、同社をチャテジー・グループとローヌ・グループに27億2,500万米ドルで売却していた。
ブラスケムは、9月には、タイ石油化学最大手SCGケミカルズとの間でも、バイオエチレン及びバイオポリエチレンの生産能力を増やすため、タイに新たなバイオエタノール脱水プラントを共同建設する投資プロジェクトの覚書も締結している。事業化調査が順調に進めば、タイのラヨーン県にプラントを建設し、ブラスケムのバイオプラスチック関連技術が導入されることが決まっている。
またラムス・テクノロジー子会社のグリーン・サークルも11月22日、英Phigenesisが欧州で新設予定の5つのケミカルリサイクル工場に対し、同社の熱分解技術「Lummus New Hope Plastics」のライセンス提供を発表している。新工場の生産能力は年間15万t。欧州のケミカルリサイクル能力を大幅に引き上げると期待されている。
【参照ページ】Lummus and Braskem Partner to License Technology for Two Green Ethylene Projects
【参照ページ】SCG Chemicals And Braskem To Study Joint Investment Into Bio-based Ethylene Production For Bio-based Polyethylene In Thailand
【参照ページ】Lummus Signs LOI with Phigenesis for Recycling of Waste Plastics to Petrochemical Feedstock Materials
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