【スウェーデン】ストックホルム大学、リグニン由来の熱硬化性樹脂生産に成功。触媒なしで

　ストックホルム大学の研究者らは11月23日、リグニン系素材を原料とした熱再処理が可能な素材を効率よく生産する手法を開発した。論文を発表した。これにより、熱硬化性樹脂や接着剤の代替となるリグニン由来物質が誕生した。

　熱硬化性樹脂や接着剤は、現在、石油やガスからの加工で生産されており、廃プラスチックとしての利用可能性も低い。そこで研究者らは、リグニンから熱硬化性樹脂や接着剤の開発を進めていた。

　今回の発見では、紙・パルプ産業からの排出物として豊富なリグニンを使用し、エチレングリコール由来の無害な化学物質と反応させることで、触媒なしで熱硬化性樹脂の開発に成功した。強度もバージンプラスチックと同等。さらに、何度もリサイクルできるという。さらに、今回の開発された物質を配合することで、強度を調整できるため、用途も多様とした。

【参照ページ】Catalyst-Free Synthesis of Lignin Vitrimers with Tunable Mechanical Properties: Circular Polymers and Recoverable Adhesives

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