フィンランド石油化学大手ネステは11月29日、両エンジンで100%持続可能な航空燃料(SAF)を活用した世界初の旅客機運航実証プロジェクト「代替燃料の二酸化炭素排出量と気候変動インパクト(ECLIF3)」の結果を発表した。航空燃料に占めるSAFの割合は、これまで50%が限界だったが、今回100%SAFを実現した。
ECLIF3には、ネステ、航空機世界大手仏エアバス、英重工業大手ロールス・ロイス、ドイツ研究機関DLRが参画。ロールス・ロイスのエンジン「Trent XWB」を搭載したエアバスA350型機で実証を行った。
同実証では、飛行中の二酸化炭素排出量の検証と、地上での検証を2021年初頭に開始。2021年4月には、地中海での3回を飛行し、ケロシン系燃料とネステのHEFA(水素化処理エステルおよび脂肪酸)系のSAFの二酸化炭素排出量の比較を行った。11月には、ケロシン系燃料とHEFAの混合燃料と、100%SAFの同排出量の比較も実施。すべての状況において、SAFの方がケロシン系燃料より粒子状物質(PM)排出量が少なく、大気汚染および気候変動へのインパクト削減につながり得ると結論づけた。
さらに同実証では、ケロシン系燃料よりSAFの方が燃料効率が高く、燃費の改善も期待できると説明。今回の実証結果の詳細は、カナダ国立研究評議会や英マンチェスター大学と協働し、2022年末および2023年に学会誌で論文発表予定とした。
【参照ページ】First study on in-flight use of pure sustainable aviation fuel in a passenger jet shows early promise
【画像】Neste
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