仏エネルギー大手トタルエナジーズは11月19日、スリナム政府が進める森林保全活動を支援することで合意したと発表した。二酸化炭素排出量の削減戦略の一環。
同国のアマゾン熱帯雨林は、15万km2ある。二酸化炭素吸収量は年間数百万tにもなる。両者は、国際認証を取得した森林保全プログラムを展開し、同排出量削減を進める。
またトタルエナジーズは11月18日、豪アグリテックAgriProveと豪カーボンクレジット創出Corporate Carbonの2社とパートナーシップを締結。オーストラリアでの炭素隔離とサバンナ地域の森林保全を進めることも表明した。
トタルエナジーズとAgriProveは2020年10月、リジェネラティブ農業への転換支援や資金拠出等を通じ、オーストラリアでの炭素隔離を増強。今回両社は、200km2規模の土壌で、二酸化炭素300万tを隔離する。農家は、同プログラムへ参画することで、豪州炭素クレジット(ACCUs)での追加収入を得ることができる。
またCorporate Carbonとの協働では、原住民の土地マネジメントのノウハウに基づき、サバンナ火災マネジメントに関する国際メソドロジーを策定した。国際サバンナ火災マネジメント・イニシアチブ(ISFMI)は、サバンナ火災が二酸化炭素を年間2Gtを排出していると推計。同課題の解決に向け、南アリカ地域の住民と協働し、初期プログラムを開始する。
さらにトタルエナジーズは10月10日、大型自動車世界大手独ダイムラー・トラックとともに、EU域内で燃料電池トラックでの輸送を行う共同コミットメントも発表した。水素調達、輸送、水素ステーションでの調合、水素駆動トラックの開発、顧客基盤の構築で協働する。
トタルエナジーズは、2030年までにドイツ、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、フランスで水素ステーション150台を稼働させるのが目標。ダイムラー・トラックも今回の協働を通じ、2025年までにオランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、フランスでの燃料電池自動車(FCV)を展開する。
ダイムラー・トラックは、燃料電池(FC)トラックの普及に向けたイニシアチブ「H2Accelerate」の加盟企業。両社は、同イニシアチブとも協働し、欧州での輸送の脱炭素化を進める。
【参考】【国際】ダイムラー等5社、欧州のFCトラック普及で団結。トヨタ米国はFCトラック披露、ボッシュは固体酸化物形燃料電池(2020年12月22日)
【参照ページ】TotalEnergies Partners with the Government of Suriname to Contribute to Preserve Forests as Carbon Sinks
【参照ページ】Australia: TotalEnergies Inks Two Partnerships to Develop Natural Carbon Sinks
【参照ページ】TotalEnergies and Daimler Truck AG Partner to Develop Hydrogen Ecosystem for Transportation in Europe
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