広野IGCC発電所は11月19日、福島県広野町で新たな石炭火力発電の営業運転が開始したと発表した。第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)で脱石炭の国際的なうなりが大きくなる中、早速日本で新たな石炭火力発電所が誕生した。
広野IGCC発電所の出資構成は、三菱商事エナジーソリューションズが40%、三菱重工業が40%、三菱電機が10%、東京電力ホールディングスが10%。IGCC(石炭ガス化複合発電)は、固体の石炭を高温・高圧のガス化炉内で、気体の石炭ガスに変換した上で、燃料とするもの。ガスタービンと蒸気タービンの2つのタービンを組み合わせるため効率は良いが、石油火力発電やガス火力発電よりも二酸化炭素排出量は多い。
完成した発電所の設備容量は、出力は543MWで、IGCCとしては世界最大級。発電効率(LHV:低位発熱量基準)も48%で世界最高と誇った。また、排出される石炭灰はガス化炉内で溶融し、ガラス状のスラグになり、セメントの原材料や路盤材として再利用することも強調した。
同社は、パリ協定採択後の2016年に設立。2018年4月に広野IGCC発電所の建設に本格着手していた。
【参照ページ】広野IGCC発電所の営業運転を開始致しました。
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